双葉社web文芸マガジン[カラフル]

探偵になんて向いてない(桜井鈴茂)

イラスト:竹田匡志

第12回

第六話

 おれは、チーフパーサー……というより航空会社と擦った揉んだしたあげくに、最終的には急患――ひょっとして危険人物を意味する彼らの隠語なのか?――扱いになって、すでに乗降ドアのしまっていた航空機から降ろされた。最初のうちは無理を通そうとするおれをどうにか諫めていたリサコも、何を言っても無駄だと諦めたのか、あるいはおれの主張も一理あると思い直したのか、途中からは口を挟まずに傍観していた。降機が決まると、リサコは「あたしが必要になったら、すぐに連絡してね」と言って、おれの手首のあたりを、きゅっと握った。不意のことで、おれは「おう、サンキュー」としか言い返せなかったが、リサコの細い指の先からは、不思議とポジティヴなヴァイブレーションが、さらには……どう言えばいいのだろう……いっそ、これぞ愛の成分の一つとでも言いたくなる温もりが伝わってきた。
 しかし、搭乗ブリッジを足早に抜けて搭乗口、つまり、空港ビルに戻った途端におれの確信はみるみると萎れていった。あらためて冷静に考えれば、おれが引っかかりを覚えたのは「元ミュージシャン」という単語のみだ。そして、浅沼裕嗣の写真を見せた際にリサコは「」と言ったに過ぎない。にもかかわらず、おれは、いったん乗り込んだ(どころか、着席してシートベルトまで締めた)航空機から降ろしてもらうほどに〈カフェ・ロールベール〉の常連客らしい一人の男が浅沼裕嗣だと確信するとは。いくらなんでも早合点じゃないか。つーか、ようするに、おれはアホなのか? 
 しかも、おれには運転免許がない。欠格期間中――技術的には運転できるが、法的には運転する資格がないのだ。その事実をすっかり失念していた。せめてその事実を自覚していれば、おれはリサコとともにいったん東京に戻って、降って湧いたインスピレーションを揺るぎないファクトと緻密なロジックで固めた上で、権藤探偵事務所の辣腕非常勤スタッフであり運転手としても有能なリサコを連れて再度北海道にやってくる、という行動を選択しただろう。いや、東京での調査の結果、リサコが〈カフェ・ロールベール〉で居合わせた「元ミュージシャン」は浅沼裕嗣などではなく、浅沼とはなんの関係もない、まったくの別人であることが判明したかもしれない。
 おまえはアホなのか? こんな衝動的な行動をとって、プロフェッショナルな探偵と言えるのか? 認めたくないだけで、やっぱ、へっぽこ探偵、なんじゃね? おれは胸の内で自分に毒づきながら、おのがインスピレーションに一縷の望みを託して、帯広市街地行きの路線バスに乗り込んだ。

 二日前にキャンセル料を払ってチェックアウトしたシティホテルに再びチェックインしてから、四半世紀にわたる腐れ縁にして我がボス、カゲヤマに電話した。調査の経過を逐一、報告する必要も義務もないのだが、これまでの経験から言って、心細さや気塞ぎの類いを多少なりとも緩和させるには、こいつとの無駄口は効果覿面だ。たとえ、意見が嚙み合わなくとも。
「元ミュージシャンって……あのね」と、カゲヤマは呆れかえった口調で言う。「この世にいったい何人の元ミュージシャンがいると思ってるの?」
「つっても、星の数ほどはいないぞ」
「どうかな。都心の空に見える星の数くらいはいるんじゃない?」
「うむむ」
「でしょ?」
「しかし、浅沼の写真を見たリサコも、似たような雰囲気、と言ってる」
……ねえ」と、さらに呆れを深めてカゲヤマは言う。「リサコは酔ってたんでしょ? ま、たとえ、ほろ酔いだったにしても、父親との初めての会話に必死で、まわりの人間を冷静に観察する余裕なんてなかったんじゃない? ……ああ見えても、人一倍繊細だからね」 
「まあ……そうだ」
「でしょ?」
「でも……おれ、ひらめいたんだよ」そう言いながら、自分がいまだケツの青い洟垂れ小僧であるかのような感覚を覚えた。
「うむむ」
「こんなこと初めてなんだよ」
「探偵業を始めてから初のひらめき?」
「ああ」鏡で確かめる気にはなれないが、おれはおそらく赤面している。「そんな気がする」
「うむむ」カゲヤマは再び唸り、一拍置いてから言った。「まあ、そうだよね、ひらめきを信じてみるのもいいよね」
「おいおい」今に始まったことではないが、カゲヤマの軽佻な口ぶりが癪にさわった。「やめろ、その他人事みたいな言い草は」
「つーか、ゴンちゃんさあ……」
「……なんだよ?」
「つまるところ、プライドが傷ついたんだよね」
「う……」急所を突かれた。
「だって、せっかく北海道まで同行したっていうのに……しかも、こんな酷寒期に」カゲヤマの声音には旧友に対する憐れみがマーブル模様となって滲んでいた。「ゴンちゃんの手を借りずに、解決しちゃうんだからね、リサコったら」
「まあ……うん……そうだよ」おれは認めた。リサコには言えなかったが、カゲヤマになら言える。このことが言いたくておれはカゲヤマに電話をかけたのかもしれない。「ぶっちゃけ、傷ついたよ。おれはいったい何をしに、北海道くんだりまでやって来たんだ?と思ったね。おれが必要だと言ったのはあいつのほうなんだぜ」
「それで、北海道までやって来たことの意味をどうにか見いだそうとして――」
「かもしれない。きっとそうだ」おれはさらに認めた。「しかし、だからと言って、いったんひらめいてしまったものをなかったことにはできない」
「たしかに」カゲヤマはようやく得心したように言った。「プロの探偵としてのひらめきなんだから、信じて邁進するしかない」
「ああ、するよ」おれはケツの青い自分の中の洟垂れ小僧を鼓舞するように言った。「間違いだとわかったら、引き返せばいいだけの話だ」
「当たって砕けろ!」
 いやに甲高い声でカゲヤマは言い、ひとりカカカカと笑った。一連の展開を面白がっているのか、単におれを嘲っているのか、あるいは働きすぎてついに頭がいかれてしまったのか、なんともわかりかねる複雑な笑い声だった。
 その日が金曜日、すなわち、〈カフェ・ロールベール〉が夜も営業する曜日であることは、チーフパーサーに降ろしてくれと懇願(もしくは強請)している時から意識していた。もしかしたらその晩さっそく浅沼裕嗣に会うことができるかもしれない。そんな期待さえおれは抱いていた。
 宵の口の全国ニュースとそれに続くローカルニュースを流し観ながら、近くのコンビニで買ってきた夕食を済ませた。陳列されているものの中で食欲がそそるものを選んだにすぎないのだが、コールスローサラダと生ハムとクルミパンとコーヒー牛乳という、まるで朝食みたいな夕食だった。
 そうして、午後八時数分前、おれは帯広駅前のバスターミナルから音更町方面に向かう路線バスに乗り込んだ。乗客はぜんぶで十五人ほど。その過半が、塾を終えた高校生……いや、中には友人や恋人とファストフード店で駄弁っていて遅くなった高校生もいるだろう。

 音更町の町役場の二つ先のバス停で下車し、グーグルナビに従って雪道を歩いた。半端なく寒い。いや、半端なく寒い、なんて形容ではぜんぜん足りない。天気アプリで確認すると零下七度。ジーンズやセーターの下にはヒートテックのタイツや長袖シャツを着て、ダウンジャケットに厚手のスキー帽にウール100%のソックスに冬用トレッキングシューズに革の手袋にぐるぐる巻きのマフラーという恰好でおれは防寒していたが、それでも獰猛な寒さは容赦なく骨にまで染みこんできた。
 おれ以外に二人が同じバス停で降り、うち一人の男子高校生がおれと同じ方向に歩いていたが、三つめの交差点でおれが左に曲がると、あたりには人っ子一人いなくなった。まだ午後八時半を過ぎたばかりというのに、午前三時のようだ。もっとも、道路の両側には一軒家がほぼ等間隔で建ち並んでいるし、それぞれの住居の窓からは明かりも洩れているのだが、どういうわけか、人の気配がしない。その照明器具の下で人類がカレーを食べたりドラマを見たり二次方程式を解いたり自撮り写真を投稿したり口論したり慰め合ったりお金を数えたりしているとは思えない。ほんの半時間前に、銀河の彼方から一つ目宇宙人が大挙して押し寄せて、ここらの住人を一人残らず拉致していった――ふと気づくと、おれはそんな子どもじみた空想を弄んでいた。
 凍てついた道を二十分ほど歩き、ようやく〈カフェ・ロールベール〉にたどり着いた。連なる建造物のしんがり、その背後の雑木林の向こうは白い雪に覆われた畑、というロケーションだ。駐車場にはスカイブルーのトヨタのコンパクトSUV車と黒のスバルのステーションワゴン。おれは足を止めて夜の冬空を見上げた。昼間は晴れていたのだが、すでに雲で覆い尽くされている。先ほどのニュースでも今時のイケメン天気予報士が、夜半すぎから雪がちらつくでしょう、と告げていた。先だっての羽田空港での面会のことを思い返すと気が重かったが、今さら引き返すわけにはいかない。おれは胸の内で「当たって砕けろ!」とつぶやき、カフェの入口に向かった。

 カウンターの中の丸椅子に座って先客としゃべっていたらしい久米満夫は新たな客の姿をみとめると、いささか驚いたような、けれども柔和な笑みを浮かべつつ「いらっしゃい、こんばんは」と深いバリトンヴォイスで言い、それからやっとその一見客の正体に気がついたのだろう、表情をさっと強ばらせ、そのせいで浮かべた笑みも笑み以外の何かに変わった。
 店主の表情から不吉なものを感じたのか、先客の三人の男も、いっせいに一見客のほうを振り返った。たちまち店内にはぎこちない沈黙がたれ込めた。天井に設置されたボーズのスピーカーからピアノ・トリオのジャズが降るように流れている。音触りから推断するに、おそらく五〇年代後半から六〇年代初頭にかけて録音されたジャズだが、ジャズに精通していないおれにはそこまでしかわからないし、それとて、おそらく、だ。先客の男三人は、さっと見たところ、カウンターに向かって左から順に四十代半ば、五十がらみ、四十がらみ。職場の釣り仲間といった感じ。ヒエラルキーの緩い職場……町役場とか保健所とか、そんなところだろうか。
 おれは「その節はどうも」と久米に向かって言い、勧められるのを待たずに、カウンターの右端の席に腰を下ろした。と、二つ隣の席に座っていた五十がらみの客が、硬直した空気をほぐすかのように「……それでさ、うちのカミさんが言うにはね……」と、おれが現れる前まで続けていたらしい話を再開した。店主も(少なくとも表面的には)気を取り直し、招かれざる一見客に向かって「何にします?」と尋ねてきた。淡白な物言いではあるが、さほど冷淡な物腰ではない。メニューの類いはないようだ。招かれざる一見客はカウンターの背後の棚に並んだ酒瓶をひととおりチェックしてから「ブッシュミルズをオンザロックで。チェイサーもください」と告げた。
 そうして、五十がらみの男はマヤ暦とマヤ文明に関する話を続け、四十代半ばとおぼしき左端の男はほとんど五秒おきにスマートフォンに目をやりながら「え、マジっすか」とか「それ、やばいなあ」などと、たいして気の入っていない相づちを打ち、四十がらみの男はほとんど言葉らしい言葉は発せずに、時々咳き込んだような笑い声を立てた。
 ともあれ、この晩の一見客は、昨晩の一見客のように「チヤホヤ」されることはおろか、話しかけられることさえなく、半世紀以上前に録音されたアメリカ産のジャズに耳を傾けつつ、アイルランド産のウイスキーをちびちびと舐めるように飲み続けた。

 さてと。どこから話を切り出そうか。おれが頭の中であらためて作戦を練り出してまもなく、三十代後半と思しき女性の二人組が現れ、カウンターのすぐ後ろのテーブル席に陣取った。取り交わしたカジュアルな挨拶から察するに、先客の男たちとはかなりの馴染みらしい。女たちは二人ともノンアルコールビールを注文した。やがて、男たちは共通の知人の電撃的離婚話と衝撃的再婚話に女たちを誘い込んだ。
 常連客同士で盛り上がりはじめると、店主はその輪からさりげなく退去し、いつまでも放置しておくわけにはいかないと思ったのだろう、ようやく、おれのほうに顔と体と心を向けた。
「きみもこっちに来てたのか」と久米はおもむろに口を開いた。バツが悪いのをなんとか隠そうとしている、そんな表情に見えなくもない。
「ええ」とだけ、おれはこたえた。慌ててはいけない。相手の出方を見きわめろ。
「ふらっと様子を見に来たってわけじゃない」久米は既成事実を述べるように言った。
「ええ、今日は」とおれは切り出した。「完全に別件で伺いました」
「……別件?」
 おれはうなずき、少々間を置いてから、続けた。「こちらのバーに、元ミュージシャンの男が出入りしている、と聞きました」
「ううむ」久米は、どうとでもとれる曖昧な音を鼻から漏らした。肯定したわけではなかったが、この場合、否定しなかったことが、すなわち肯定を表すことになるだろう。
「その元ミュージシャンというのは……」そう言いながら、おれはスマートフォンに浅沼裕嗣の写真を表示して、久米満夫に向けて差しだした。「この男じゃないでしょうか?」
 久米満夫は丸椅子ごとこちらに寄ると、写真を凝視した。数秒後、おれは別の写真に差し替えて、それも久米に見せた。久米は再び凝視してからおれに視線を戻し、静かな口調で言った。「なんとも言えないな」
「なんとも言えない……言い換えると、似ていなくもない?」
「ああ」久米は大きな顎を小さく動かした。「似ていなくもない」
「名前は浅沼です。浅沼裕嗣」
「苗字は知らない。わたしが知ってるのはユウジという名前だけだ。漢字も知らない」
 言い回しとは裏腹に、久米は肯定している。間違いない。何か月も行方の摑めなかった浅沼裕嗣はこの店に来ている。たぶん、この近隣に住んでいる。おれは確信した。心身に力がみなぎってくるのがわかった。
「昨夜、いらしたんですよね? 閉店間際に」
「ああ」久米は認めた。「ずいぶんと久しぶりだった。そもそも彼は常連さんとは言えない」
「……そうなんですか」
「昨夜で五回目くらいかな。音更に住んでいるわけでもない」
「どちらに住んでいるんでしょう?」
上士幌かみしほろだと思うが」
「上士幌というと……」一昨日、昨日とおれとリサコが泊まっていた――二晩目はリサコは朝帰りだったが――温泉宿も上士幌町じゃなかったか?「ぬかびら温泉郷のあるところですよね?」
「あのへんも含めた一帯だよ」
 そう言うと、久米はカウンターの隅に束ねて置いてあった観光用の冊子を一枚抜き出して、地図を見せるべく、おれの目の前で広げた。音更町の北が士幌町、そのさらに北が上士幌町。上士幌町は広い。大雪山の南東側はおおよそ上士幌町だ。
 おれは礼を言い、さらに尋ねた。「上士幌町で彼は何を?」
「牧場で働いているはずだ。そこの牧場の経営者の一人が、こっちに出てくるたびに店に寄ってくれるんだが、ある時、同級生だというユウジくんを連れてきた。そうだな、二年ほど前だったかな……もっと経つかもしれん」
「その牧場経営者とは、守屋拓巳さんですか?」
 久米はおれを見て、感心したようにうなずいた。「よく調べてるな」
「それがぼくの仕事ですから」
「ともあれ、彼……ユウジくんがどうかしたのか?」
「彼は行方をくらましている人間なんです」
「それはまあ……だいたいわかる。借金を踏み倒してきたとか?」
「いいえ」母親のヘソクリのことが頭に浮かんだが、あれは借金ではない。「そうではありません」
「なにか……犯罪に関与してるのか」
「いいえ、それもないでしょう」おれは言いながら考えた。ここで伏せておいても得なことなどなに一つないだろう。「昔の恋人が余命わずかなんです。最後にどうしても彼に会いたいと」
 久米満夫は何度か小さくうなずきながら間を置いた。おれの言ったことを検証するかのように。いつのまにか、彼の表情から険がきれいさっぱりなくなっている。今ならリサコが久米を描写する時に使った「鷹揚で、ユーモラス」という表現もわかる気がする。久米満夫はバリトンヴォイスをメゾピアノで響かせるように言った。「ユウジくんの昔の恋人がきみの依頼人で……彼らを再会させるのが任務というわけか」
「ぼくにできるのは」おれは相手の言葉を修正するべく言った。「彼に会って、彼女の気持ちを伝えるところまで。その先の行動は彼が決めることです」
 久米満夫は再び間を置いたが、やがて「わかった」と言い、先ほどの地図に青のボールペンで星印を付けた上で、なにやら書き込んだ。牧場のロケーションと道順、そして、〈有限会社 北十勝共同牧場〉という正式名称だ。
 おれは、予想を超えて、スムーズに事が運んだことに少々の戸惑いさえ覚えながら礼を言った。「ありがとうございます、助かります」

 午後九時五十三分。他の客たちが順に帰路につき、唯一の客となったおれは、店主にタクシーを呼んでもらえないかと頼んだ。店主は宿はどこなんだと尋ねてきて、おれがホテルの名前を教えると「わたしが送っていく。少し待ってくれ」と言った。「いや、そんな」と言いかけたものの、その先に続く辞退の言葉をおれは飲み込んだ。ここは申し出を受けないわけにはいかないだろう。久米満夫の意図がなんであれ。
 車の中で久米満夫はほとんどしゃべらなかった。おれもほとんどしゃべらなかった。おれはそもそも黙っているのが苦手な人間なのだが、それでもその時は何を話せばいいのか……というより、尋ねたいことは山ほどある気がするのだが、どこからどうやって切り出せばいいのか、わからなくなっていた。時々、どちらからともなく天候や風物の話をした。どの話題も長続きはしなかった。しかし……矛盾するようだが、不思議と気詰まりな沈黙ではなかった。
 十勝川を渡る橋にさしかかった時に、おれは思い切って尋ねてみた。「東京から十勝に移ろうと思ったきっかけは何だったんですか?」
 久米満夫は「きっかけ、ね」と言ったきり黙った。質問の意味を咀嚼しているのか。あるいは、回答を頭の中で推敲しているのか。「べつに、大層な話じゃないんだ」
 おれは話の続きを待った。
 十勝川が暗闇の中に現れ出ては遠ざかり、話題もまた霧消したのかと思うほど長い沈黙の後に、久米はぽそりとこたえた。「人生に変化を求めていた。それだけの話だよ」
「しかし……」おれは先を言いあぐねた。
「よりによって、こんな酷寒の地に」久米は自ら言い、自嘲するかのような笑いを漏らした。
「まあ、簡単に言うと、そういうことです」
「どんな場所にも良いところと悪いところがある」
「たしかに」おれは認めた。「そうですよね」
「人間と同じだ」
「たしかに」おれはそれも認めた。「そうですね」
「わたしの欠点は」と久米は言った。「他人を早々と判じてしまうところだな」
「……え?」
「先日は悪かった。謝る」
「いや……謝るようなことでは――」
「申し訳なかったよ」そして、一続きのトピックであるかのように久米は言った。「わたしからも一つ、いいか?」
「……なんでしょう?」
「萩原リサコさん……彼女はいま、ホテルに?」
「いいえ」少なからず驚きつつおれはこたえた。「彼女は昼の便で東京に戻りました。急ぎの用事が入ってしまったようで」
「なるほど……そうか」
 久米は、おれをホテルへ送りがてら、リサコにも会っていくつもりだったのだろう。少なくとも、そうなることを期待していたのだろう。そう思ったが、そのことには触れなかった。代わりにおれは、無理を言って搭乗機から降ろしてもらった顚末を話した。
 面白がってくれるかと思って話したのだが、久米はたいして面白がらずに、ずばり訊いてきた。「きみたちはどういう関係なんだ?」
「え?」
 おれがこたえあぐねていると、久米は補足するように言った。「単に探偵と依頼人の関係じゃないことくらいはわたしにもわかるよ」
「大切な友人です」ややあっておれはこたえた。大切な友人――ほかにベターな表現は思いつかなかった。「時には仕事も手伝ってもらっています」
「仕事というのは、つまり――」
「探偵業です。彼女、優秀なんですよ……ぼくなんかよりよっぽど」
「なるほど」そう言って、久米は運転しながらおれを横目で見た。「きみにこんなことを言うのもどうかと思うが……」
「……なんです?」
「彼女のこと……どうか頼むよ」
 予期せぬ言葉に、おれはどう反応していいのかわからなかった。
「大切な友人――いま、そう言ったろ?」
 おれはうなずくしかなかった。「ぼくにできることは限られていますが……わかりました」
「もし」久米は柔らかな口調で言った。「わたしに力になれることがあったら、その時は遠慮なく言ってくれ」
「わかりました」
 久米満夫は厳かにうなずいた……いや、頭を下げたのかもしれない。そうだ、頭を下げたのだ。
 翌朝は広大な十勝平野に雪が舞い降りていくのを眺めつつ、最上階のカフェテラスでビュッフェスタイルの朝食をとった。クロワッサンとバターロール、かりかりベーコンとボイルソーセージを添えた目玉焼き、ハッシュドポテト、キノコのマリネ、トマトとスライスオニオンとわかめをたっぷり入れたグリーンサラダ、ブルーベリー入りのヨーグルト、コーンポタージュ、コーヒー。それらを食べながら飲みながら、おれは我知らずぼんやりと考えていた。そう、リサコのことを。じつは昨晩も考えていた。考えすぎて、眠れなくなったほどに。夢にも出てくるほどに。
 朝食を終えて部屋に戻ると、レセプションに内線電話をかけ、こちらの目的を話した上でタクシー会社の電話番号を教えてもらった。というのも、昨晩、グーグルで検索したところ、浅沼の働いている(はずの)〈北十勝共同牧場〉に行くには、公共交通機関である路線バスを使った場合、最寄りのバス停からゆうに一時間半は歩かなくちゃいけないことがわかったからだ。
 タクシーは完全時間制だった。一時間6140円。加算は三十分単位。行き先を伝えると、先日の大雪で路面が凍っている箇所もあるだろうから片道一時間十五分ほどみてほしいと言われた。
 熱いシャワーを浴び、いつになく念入りに髭を剃り、身支度を整えた。午前十時、タクシーがやってくるころには雪は止んで、西の空には晴れ間も見えていた。本日の最高気温は二度まで上がるらしい。何日ぶりかのプラス……氷が解ける温度だ。
 よくしゃべるタクシー運転手だった。おれもまたよくしゃべった。意図的にであれ不可避的にであれ、寡黙を通した昨晩の鬱憤を晴らすかのごとく。帯広市の東隣、幕別まくべつ町の畑作農家の出身だというタクシー運転手との話題の大半は、たわいもない世間話だったが、自分たちが同い年だと知ってからは、いっそう会話が弾んだ。
「おれね、じつは、東京に住んでたことあるんだよ。もう二十年も前の話だけどさ」国道から逸れて道道に入り、時間からしても、まもなく到着という頃合いになってから運転手は言った。白状するような口ぶりで。「あんまり思い出したくはないんだけど」
「へえ……東京のどこに?」
「最初は大井町、それから笹塚。部屋の窓を開けると目の前に首都高が走ってた」
「甲州街道沿いか。東京では何してたの?」
「最初はふつうに会社員やってたよ。不動産管理会社で」
「それから?」
「その後は……やばいね、かなり」
「やばい?」
「ああ、やばい。人にはちょっと言えない」
「まさか……売人とか?」
「……」
「あたり?」
「すごいね。なんでわかったの?」
「いや、だって、やばいって言うから。やばい職業で、まず最初に思い浮かぶのがそれだよ」おれは言った。「ていうか、どうやって、不動産管理会社の社員から売人に」
「それはまあ、おれ自身がシャブにはまって……いろいろとあって……その筋の人間と仲良くなって……あげくに自分でも売るようになった……ていう、ま、普通の展開だよ」
「普通じゃないって」
「ま、そうか。普通じゃないか」
「で、なんで、そっから、ここに?」とおれは続けて訊いた。そっからここに、というのは、そんなヤバい界隈からこんなのどかな田園地帯に、ってことだ。
「なんでだろうね。おれにもよくわかんないんだけどさ。一言で言えば、疲れたんじゃないのかな?」
「疲れた……か」
「そうそう。やっぱ自然に囲まれてるのはいいよ。おれにはこの環境が合ってる。もう欲しいとも思わないね」
「元売人とは思えないセリフだな、ははは」
「ははは」運転手も笑った。「しょせん、おれは田舎もんだってことだよ。でも、それでじゅうぶんだね、はははは」
 おれも釣られて笑っているうちに、目当ての牧場に着いた。〈有限会社 北十勝共同牧場〉。
 タクシーを敷地内に待たせたまま、おれは牧場の母屋らしき建物まで歩いていき、北国に特有の風除室に入って、ドアの傍らの呼び鈴を押した。どうぞ中へと言われてドアを開けると、いろいろなものが雑然と積まれた玄関ホールに、二十代後半と思われる大柄で表情の乏しい女が出てきた。権藤と申しますが、浅沼裕嗣さんはいらっしゃいますか、とおれは尋ねた。こちらにはいません、という素っ気ない返事が返ってきた。どちらにいらっしゃるんでしょうとさらに訊くと、女は無表情のままにさっと肩をすくめ、少々お待ちください、と言って、向かって左側の部屋に入っていった。約一分後に戻ってきて、今出てきますので、と主語と主節を省いて言い、そそくさと右側の部屋に姿を消した。誰が出てくるのかは言わなかったが、浅沼の居場所を知ってる人間、もしくは浅沼に関する情報を他者に明かす明かさないの判断を委ねられた人間ということだ。
 待たされること約二分、ようやく左側の部屋から、濃紺のカーゴパンツにえんじのタートルネック・セーターという恰好の、四十すぎの男が出てきた。三日前にカットしたばかりといった感じのクルーカットに、いっけん無精髭に見えるが実のところ手入れを怠っていないと思われる髭を頰や顎に生やし、セルロイド製の黒縁の丸眼鏡をかけている。牧場主というよりは、注目のコーヒーショップのバリスタみたいな雰囲気だ。守屋拓巳だろうか。おそらくそうだろうとおれは踏んだ。
「浅沼裕嗣を訪ねてきたみたいだけど……」守屋と思われる男はあくびをこらえているかのように――じっさい、昼寝中だったのかもしれない。牧場の仕事は朝が早いのだろうから、不思議ではない――口のまわりを手のひらでさすりながら言った。「どちらさま?」
「探偵の権藤と申します」おれはこたえ、待っている間に用意していた名刺を男に手渡した。
 男は名刺に数秒目を落としてから、言った。「浅沼にどんな用件?」語気がいくぶん鋭くなっていた。用件によっては浅沼の居場所は教えない――そんなニュアンスが感じられる口調だ。
 伏せておかなければならない理由はない。なにより、時間が限られている。最短距離で進まなければ。「浅沼さんに会いたがっている女性がいます」おれはそう言ってから、岩澤めぐみの名前、浅沼と彼女の関係、そして、彼女の病状について、簡潔に話した。
「なるほど、そういうことか」男は独り言のように言い、次に話し出した時には口ぶりが変わっていた。「裕嗣がここで働いていたのは去年の九月までなんだ」
「今はどちらに?」
 ちょっとのあいだ考える素振りを見せてから男は先回りしてこたえた。「まずはこっちで連絡を取る。それから……裕嗣があなたに直接会って話をするにせよ、そうじゃないにせよ、こちらから連絡を入れる。一応、ホテルの名前も伺っておこうかな」
「ありがとうございます」おれはまず礼を言い、それから、意識的にため口に変えて言った。「しかし、今も話したように時間がないんだ」
「連絡するよ、たぶん今日中に」
じゃ困るんだ」とおれはさらに言った。「今すぐ連絡を取ってもらえないかな」
「今すぐ、か」牧場主は、相手の勢いにたじろぐと同時に、少々うんざりするような顔つきにもなって言った。
「タクシーの中で待ってるので」おれはかまわず言った。
「タクシー?」牧場主は目を見開いた。「あなた、どこからタクシーで来たの?」
「帯広のホテルから」
「それはそれは……」
「車の免許がないので仕方がないんだ」
「……ご苦労さま」
「いいかな、今すぐ連絡してもらっても」
「わかった。……少し待ってて」
 そう言うと、守屋拓巳と思われる牧場主らしくない牧場主は、たった今出てきたのとは別の部屋――さきほど若い女性が入っていった右側の部屋――に入っていった。
 タクシー運転手とヤバい雑談をしながら、しばらく待った。もちろん、料金は時間制なので、しゃべっている間にさらに半時間分、つまり3070円が加算された。
 牧場主がタクシーのところにやってきたのは、「今すぐ」と頼んでから、約二十分後だった。
「あなたに会って話をすると言ってる」おれがウィンドウを開けると、牧場主は言った。
「よかった」おれは言った。「で、どこに行けば?」
「幌滝温泉。一つだけ宿が残っていて、裕嗣はそこの宿に住み込みで働いてる」
「幌滝温泉というのは?」
「運転手さんが知ってるよ」牧場主はそう言って、運転席に収まっている運転手に声をかけた。「ねえ、運転手さん?」
「もちろん」と運転手はルームミラー越しに言った。
「ひとつ、あなたに言っておかなくちゃならない」牧場主はおれに向き直り、打ち明けるように言った。「浅沼裕嗣は、完全な状態じゃない」
「完全な状態じゃない?」
「ああ」牧場主は意味深にうなずき、それから視線を遠くにスライドさせた。雪が溶ければ、きっと見事な牧草地であろう雪原に。
 おれはさらに突っ込んで尋ねるべきかどうか、少しのあいだ迷ったが、結局、尋ねないことにした。なにしろ、おれはこれから浅沼に会いに行くのだ。自分で確かめればいいだけの話だ。「いずれにしても」おれは牧場主に言った。「知らせてくれて、ありがとう」
「ああ。気をつけて」牧場主はそれだけ言うと、さっと踵を返して、出てきた建物に戻っていった。

 道すがらのタクシー運転手との会話から判明したのだが、浅沼裕嗣が住み込みで働いているらしい〈幌滝温泉〉は一昨日の午後、リサコが単独で訪れた秘湯に違いなかった。むろん、リサコが単独で訪れることになったのは、おれが「仕事」を理由に同行を断ったからだ。くそっ、とおれは今一度、胸の内で吐き捨てた。なんておれは間抜けなんだ。
 時に観光ガイドも兼ねることになる元シャブ中かつ元売人のタクシー運転手によると、三十年ほど前までは幌滝温泉には三軒の旅館があって、昭和時代はそれなりに繁盛していたらしい。しかし、昭和が終わって平成が始まるとともに三軒のうちもっとも規模の大きかった旅館が倒産し、そのまた数年後には二番目に大きかった旅館も廃業し、もっとも小さく、地味だった旅館だけが期せずして生き残り、いまも細々と営業を続けているのだそうだ。しかし、今や旅館としての機能は脆弱で、食事の提供はなく、宿泊するのは「ツーリング旅行にやって来た、本州の貧乏ライダーぐらいじゃない?」とタクシー運転手は言った。「ここらへんの人間はふつう日帰りで行くんだよ。それも……秘湯好きの奇特なやつが。あそこ、混浴だしね。混浴ってことは、つまり、野郎ばっかってことだから、アハハハ。せいぜい、よぼよぼのばあさんとかね、アハハハ。ちなみにおれは一度も行ったことないね、行く気にもなれない、アハハハ」。おれは近しい女友達が、しかも美しい女友達が先だって入浴したことは――おまけに入浴中に高揚して、その後で果敢な行動に出たことは――言わなかった。

 浅沼裕嗣とは、営業中の旅館とは言い難いほど古びた旅館の、ロビーとは言い難いほどぞんざいな作りのロビーの隅に置かれた、薄汚れた応接セットで向かい合った。
「やっとお会いできたことを嬉しく思います」名刺を渡した後でおれは言った。皮肉をも込めたつもりだが、その皮肉は、口から放たれるや、やっと獲物を捕獲した喜びにたちまち変化していった。
「おつかれさまでした」と浅沼は言い、繊細そうな目を伏せて、ぺこんと頭を下げた。浴場に足を踏み入れるからだろう、黒い五分丈のショートパンツに、グレーのパーカの袖を肘までまくって着ている。数か月は理髪していないだろうボサボサの頭には白髪がまじり始めていた。「ぼくがこんなことを言うのも変だけど……こんな奥地までよくいらっしゃいました」
「もうこの世にいないんじゃないか――そんなふうに思ったことさえある」
 浅沼は羞恥するような苦笑いを浮かべながら言った。「そういうことを考えたこともありますね。そういうこと……わかるでしょ?」
「うん、まあ」おれは浅沼の受けこたえの様子や表情を観察しながら考えていた。「完全な状態じゃない」という牧場主のセリフは、ひとまず棚上げしておいていいだろう。「でも、会えて良かった、本当に」
 そうして、さっそくおれは用件に入った。おれの私情や余計な情報が紛れ込まないよう気をつけながら、岩澤めぐみの思いをそのまま伝えた。そして、彼女が今、どんな状態にあるかを。タイムリミットが刻一刻と迫っていることを。
「わかりました」浅沼はこちらが拍子抜けするほどあっさりと言った。「ここは月曜が休みなんで」
「あさっての月曜?」
「さすがに急すぎますか?」
「いやいや、早ければ早いほどいい」
「じゃあ、あさっての月曜に」浅沼は言った。「ただ、火曜の昼までにこちらに戻る必要はありますが……人手がないので」
 おれは承知したことを示すためにうなずき、それから帯広羽田間の時刻表をグーグル検索するべく、スマートフォンをダウンジャケットのポケットから取り出した。……あれ?
 浅沼はすかさず言った。「あ、それ、ここでは使えないですよ」
「え、まじで?」
「ええ、まじで。有線の電話だけ、ここで使えるのは」
 そう言って浅沼は表情をわずかに崩した。そのわずかに崩した表情の中に……そう、本人は意図しなかった無防備な表情の中に、おれは彼の苦悩や失望や諦念やさみしさを見た気がした。
「羽田行きの時刻表なら……ちょっと待ってください」そう言うと、浅沼はレセプションとは言い難いほどチンケなレセプションの奥に入っていき、少ししてから折り畳んだA4の紙を持って出てきた。「何か月か前の時刻表だけど、変わってないはずです」
 プリントアウトされた帯広羽田間の時刻表を見ながらおれは言った。「午前十時十五分発の便はどうだろう?」
「ぼくは大丈夫ですけど」浅沼は言った。「権藤さんも?」
「うん、いっしょに東京に戻る。羽田からそのまま病院へ行こう」
「そうですか。わかりました」
「フライトの予約もおれのほうで取っておく」
「じゃあ、代金は後で払います」
「空港のチェックインカウンター前で待ち合わせってことで」
「了解です」
「では、月曜に」
「ええ、月曜に」
 おれと浅沼は、握手を交わして、別れた。本当は秘湯にも浸かっていきたかったのだが、三十分ごとに課金されるタクシーを待たせて風呂に浸かる器量はおれにはなかった。
 午後、ホテルに戻ってから、まずは岩澤めぐみにあてて――そんな想像はしたくないのだが、メールを読めるような状態ではないのかもしれないので、姉の藤崎なつみもCCに入れて――メールをしたためた。月曜の午後に浅沼を連れてそちらへ行く、と。
 それからカゲヤマに電話して少々息抜きをし、最後にリサコに電話した。
「というわけなんだよ」おれはだいたいのところを報告すると言った。「それで、月曜の昼に――」
「羽田まで車で迎えに行けばいいのね?」
「おう。頼むよ」
「お安い御用ですとも」リサコは言った。「それにしても、ゴンちゃん、すごいね」
「すごい?」
「ひらめきが図星なんだもん」
「リサコのおかげだよ。リサコが導いたんだ、ここまで」
「あたしは何もしてない」この日のリサコは、いつになく、しおらしかった。「ともあれ、この件がぜんぶ終わったら……」
「……なんだ?」
「ううん、やっぱり、なんでもない。ううん、なんでもなくないけど、終わったら話す」
「おい……気になるじゃないか。話せよ」
「いいから」リサコは言って、ふふふと笑った。「とにかく、もう一息ね。最後まで気を抜かずに、がんばって」

 おれは気なんか抜かなかった。
 当然ながら、浅沼の母、美代子のことが心に引っかかっていたが、今、浅沼の前に母の話題を持ち出したり、先走って美代子に浅沼の居場所を知らせてしまうことで、スムーズに進んでいたものがたちまち拗れてしまう可能性がないとは言い切れないから、この件に関してはしばらく――岩澤めぐみと浅沼裕嗣が再会を果たすまでは――自分の中に留めておくことにした。
 前夜は浅沼に電話をかけて、待ち合わせ場所と時間と搭乗する便名を再確認した。その日は早起きして、出発の一時間半前にはとかち帯広空港に到着し、予約していたチケットを発券した。準備万端だった。気なんか一つも抜かなかった。抜くわけないじゃないか。
 
 しかし、待ち合わせの時間を過ぎても浅沼裕嗣は現れなかった。
(第13回へつづく)

桜井 鈴茂Suzumo Sakurai

1968年生まれ。明治学院大学社会学部社会学科卒業。卒業後は音楽活動ほか職歴多数。同志社大学大学院商学研究科中退。2002年『アレルヤ』で第13回朝日文学新人賞を受賞。他の著書に『終わりまであとどれくらいだろう』『女たち』『冬の旅』『どうしてこんなところに』『できそこないの世界でおれたちは』などがある。

  • 双葉社
  • 小説推理
pagetop