双葉社web文芸マガジン[カラフル]

探偵になんて向いてない(桜井鈴茂)

イラスト:竹田匡志

第1回

第一話

 午前一時すぎ、雇い主であるカゲヤマが唐突に話を振ってきた。「じつは考えてることがあって」
 ようやく晩飯にありついているところだった。カゲヤマは編集プロダクションおよび広告制作会社のワンマン社長、こちらは昔のよしみで雇われたライター。この晩は、とあるエリア情報誌の入稿作業を済ませ、会社近くのスペイン・バル〈テルモ・サラ〉にやってきた。食事のラストオーダーが午前一時、しかし火を通さないものなら午前二時の閉店間際まで出してくれるという、夜行性ないし不規則な生活を(好むと好まざるにかかわらず)送る者にとっては非常にありがたい店だ。悪天候時をのぞけば時間帯にかかわらず利用するテラス席からは禍々しいほどの光を放った秋月が見えていた。
 イワシの酢漬けをひときれ口に含んでから、おれは我がボスに目を向けた。どことなくイグアナを連想させる目つきは若い頃からだが、最近は肌がくすみ、小皺も増えてきたせいか、いっそうイグアナっぽい。しまいには本当にイグアナになるんじゃないのか。
「たしかゴンちゃんって」断酒して丸七年が過ぎようとしているカゲヤマはフルート型のシャンパングラスに注いだペリエのライムで唇と舌を潤してから、先を続けた。「興信所だか探偵社だかで働いてたことあったよね?」
「働いてたっていうか、のバイトで。ずいぶん昔、ほんの数か月」
「多少のノウハウはあるってことだね」
「いやいや、おれがやってたのは、使い走りみたいなもんだから。尾行時に運転手させられたり、深夜の張り込みに付き合わされたり、そんなこんな」
 ふむふむ、と意味ありげにうなずくカゲヤマ。
「つーか」ラ・リオハ州産の赤ワインをボトルからグラスに注ぎ足し、それをひと口啜ってから言った。「いったい何?」
「どうかな?」カゲヤマは問いにはこたえずに逆に問いかけてきた。二つの大きな目が月光とはおそらく無関係に鈍く輝いている。
「どうかなって……ま、なんとなく……見えてきた気はするけど」
「見えてきたでしょ?」
「見えてはきたけどさ」と繰り返した――少し後になってわかることだが、見えていたのは表面おもてめんに過ぎなかった。「なんでまた?」
「なんで、って……まあ、その……」カゲヤマは、計画の無謀さをインテリなママに指摘された早熟な中学生のごとく、ぎょろ目を泳がせつつ言った。「会社としてもさ、リスクヘッジを考える段階に来てるんだよ」
「リスクヘッジ?」啞然としながら言った。「編プロがリスクヘッジとして探偵業?」
「ま、リスクヘッジってのは理由の一つであって――」
「主たる理由はべつにあるってことね」
「どっちが主ってわけじゃないんだけど――」
「なんだよ?」まだるっこい雇い主に焦れて雇い人は思わず声を尖らせた。
 カゲヤマはコホンと咳払いをしてから言った。「松田優作まつだゆうさくの『探偵物語』は知ってる? 昔そんな話したっけ?」
「昔したかどうかは覚えていないけど、『探偵物語』はもちろん知ってる。工藤くどう探偵事務所。工藤俊作しゅんさく。工藤ちゃん」
「なら話は早いね。あれに長いこと憧れてて」
 トピックがろくでもない谷底へなだれていこうとしていた。「おいおい、その積年の憧れが探偵業を始めたい理由なのか」
「しつこいけど、リスクヘッジのことを忘れないでくれる?」
「わかったよ、リスクヘッジね。大切なことだよな、会社と従業員の将来のために」そう言ったのはカゲヤマの性格を慮ってのこと。「でも、リスクヘッジをのぞけば、それがつまり、『探偵物語』への憧れが、探偵業をやりたい理由なの?」
「そう」開き直ったのだろう、カゲヤマは九九の掛け算に答えるみたいにきっぱりと言った。「真っ当な理由でしょ?」
「あのねえ」こいつはたしかに目下おれの雇い主だが、元はと言えば、学生時代のバイト先の後輩なのだ。忠告するべき時は遠慮なんかしていられない。腑抜けたイエスマンでいるわけにはいかない。「あれはテレビドラマでしょうが。しかもアクションコメディでしょうが。そんなドラマと現実をごっちゃにしちゃいけないよ。現実の世界で探偵事務所なんかやったってせいぜいが浮気調査だぜ?」
「まあ、そうなんだろうけど……だとしても、とにかくやってみたいんだよ。面白いことありそうじゃん。考えるだけでワクワクするじゃん」
「ワクワクって……なんか違くねえ?」
「そう? ワクワクすることがなくちゃ、やってられないよ、こんな掃き溜めみたいなところでは」
「はあ? 掃き溜めみたいなところ?」
「そうだよ、我々はまさに掃き溜めで暮らしてるんだ。それに気づいていようと気づいていなかろうと」
「ど、どうしたんだ? カゲヤマ」おれは軽い目眩を覚えながら問うた。「何かあったのか? 何かに取り憑かれたのか?」
「名刺、作っとくからさ」カゲヤマはおれの問いを膝に落ちたパン屑みたいに弾き飛ばしてあっけらかんと言った。「権藤ごんどう探偵事務所。なかなか貫禄のある名前だよね」
「はあ!?」思わず声を張り上げていた。秋月がくるりと回転して、その裏側がいきなりあらわになって、おれのケツは椅子から浮いて、ワイングラスがぐらついた。それを右手でおさえつつ言った。「権藤……探偵……事務所? お、おれがやるのか?」
「そりゃそうでしょ」
「ちょっと待てや――」
「工藤探偵事務所のもじりみたいだよね。工藤俊作と権藤研作けんさくもちゃっかり韻を踏んでるし。ま、名前についてはご両親に文句を言いなよ」
「いやいや、そこじゃなくて」おれの声はほとんど裏返っていた。「そもそも探偵業は、おまえがやりたいんだろ?」
「ぼくはほら、眠る暇すらろくにない零細企業の代表取締役だから。そこんとこは現実をわきまえないと」
 ぶばばばば――おれの口からはもはやそんな奇声しか出てこなかった。
「給料はともかく、ゴンちゃんの飲み代と家賃を払ってるのはこのぼくだから」この手のことに言及する時は常にそうであるように、カゲヤマは表情を消して淡々と言う。「ぼくの命令は絶対なの」
 
 たしかにカゲヤマには頭が上がらない。やつに対する口の利き方や態度こそ二十世紀に形成された型を粛々しゅくしゅくと継承しているのだが。
 このあたりの事情を逐一説明し始めると、冗長になること間違いないので、割愛させていただくが、ごく簡単に言えば、カゲヤマという男は現在のおれの雇い主である以上に、失望と困窮の泥沼で溺れかけていたおれを救い上げてくれた恩人でもあるのだ。
 ともあれ、翌週早々に「権藤探偵事務所/権藤研作」という名刺が千枚も刷り上がってきた。専用の固定電話回線とスマートフォンとGmailのアドレスもあてがわれた。カゲヤマが以前からひそかに読んでいたらしい『驚きの探偵術入門』やら『こっそり教えます――探偵業の表と裏』といったタイトルのハウツー本らしきものも何冊か渡された。名刺にはヴァンヌーボのスノーホワイト紙が使われ、中楷書体で縦書き、黒の単色刷り。その若干の堅苦しさを諧謔で中和するかのように、裏面には、中折れ帽にサングラスの、工藤俊作とルパン三世の掛け合わせみたいな男がリヴォルヴァーの銃身で尖った顎を撫で、その背後ではボディコンスーツ姿のグラマラスな女がしなを作っている、というアメコミ・タッチのイラストが描かれていた。呆れながらもたまらず失笑した。呑気に笑っている場合じゃないのだが、可笑おかしいのだから仕方がない。
 さらに一週間後には「権藤探偵事務所」のオフィシャル・ウェブサイトが立ち上がった。インターネット黎明期を思い出させる、非常に簡素な作りのものではあったが、その簡素さがかえって信頼に足る雰囲気を醸し出している――そんな気がしないでもなかった。もっとも、ネットの大海原でこの小船を探り当てるのは至難の業と言えそうだが。

 その間に、おれは、カゲヤマにけしかけられるままに新宿区役所や東京法務局に赴いて住民票の写しや「登記されていないことの証明書」を発行してもらった。また、履歴書や誓約書もしたためた。そうして最後に、カゲヤマと連れ立って四谷警察署に赴き、「探偵業開始届出書」を提出した。
 案ずるより産むが易し――ということなのか。とにもかくにも、こうして、我がボス、カゲヤマ主導による、そして心ならずもおれの名前が冠された「権藤探偵事務所」はスタートしたのである。
 
 しかし、名刺を刷り、ウェブサイトを立ち上げたからと言って、首尾よく仕事の依頼が舞い込むわけではない。言うまでもなく、探偵業は物干し竿を軽トラックの荷台に乗せて売りに出るのとは根本からして違う。個人宅の呼び鈴を片っ端から押しまくって「お困りごとなどがございましたら……」などと飛び込み営業をするわけにもいかない。
 カゲヤマもそこらあたりは重々承知しているらしく、開店休業状態がしばらく続いても、どこ吹く風とばかりに悠長に構えていた。なにしろ、探偵仕事が入るまでは、これまで同様、おれをライターとして働かせればいいだけなのだし、権藤探偵事務所の登録住所は、もともと会社の経費で借りているカゲヤマの私物置き場兼おれの寝床のものだ。開業するにあたって新たにかかった費用と言えば、名刺の印刷代とウェブサイトのドメイン代……デザインはカゲヤマの会社の従業員にやらせたのだから……あとは、固定電話代と専用のスマートフォン代くらいのものか。きょうび、やり方によってはかなり安価に済ませられるはずだ。
 カゲヤマとおれが、営業広報活動として、地道に(かつ、カゲヤマに限ってはすこぶる熱心に)やり続けたのは、夜の店で名刺を配ることだった。夜の店、というのは、パブというのかクラブというのかやっぱりあれもキャバクラというのか、正式な呼称は知らないが、それなりにドレスアップした女性が隣に座って飲み物を作ってくれたり、くだらないバカ話を聞いてくれたり、やるせない夜には太腿の上に手を置かせてくれたりする接待飲食店のことだ。
 カゲヤマは、世にも不思議なことに、断酒してから逆にその手の接待飲食店の上顧客になったらしく、今春の再会以来、おれもしょっちゅうお相伴に与っていた。常にキープしてあるスコッチ・ウィスキーのボトルの中身を減らすために、時にはおれ単独でも飲みに行くようになっていた。
 そんな接待飲食店の一つである高円寺の〈シオン〉に勤める由実香ゆみか――事務機器メーカーに勤めるOLで、週に一度か二度、源氏名を使わずに店に出ていた――から、ラインにメッセージが入ったのは、権藤探偵事務所が開業して八週目、十一月も半ばを迎えた頃だった。
 先日いただいた名刺なんですけど、真面目に捉えていいんですよね?――そのように改めて問われると、ぶっちゃけ及び腰になるのだが、しかし今さらあとにも引けないので、ああ真面目だよ、とこたえると、高校時代の親友から近々メールが届くと思います、助けてやってください、どうかよろしくお願いします、という、真面目どころか悲愴感すら滲んだ文言が送られてきた。次いで、四匹の猫がそろってお辞儀をするスタンプ。既読スルーしたい気持ちにさえなったが、そこはマナーを重んずる権藤研作、承知した旨を表すティラノサウルスのスタンプを返しておいた。
「はじめまして」とタイトルの付いた簡潔なメールが権藤探偵事務所のアドレスに届いたのは、二日後の昼前だった。


 権藤探偵事務所/権藤研作さま

 本庄由実香からメールアドレスを聞きました。岩澤めぐみと申します。
 じつは、連絡の取れなくなってしまった人がいるんです。わたしなりに手を尽くして捜しましたが、ダメでした。その人を捜していただけないでしょうか? どのくらいの費用が必要なものなのか、まったく見当がつかず、とても心許ないのですが、由実香がきっとやってくれるよ、と言うので、思いきって連絡をさせていただきました。本来ならば、わたしがそちらへ足を運んで詳しいお話をするべきなんでしょうけど、現在入院治療中で、外出するのが難しいんです。こちらへお越しいただけないでしょうか? お話だけでも聞いていただけると、たいへん嬉しいです。
 
 さっそくカゲヤマに電話を入れて、届いたメールをそのまま読み上げた。
「ついに依頼がきたね!」カゲヤマは声を張り上げた。
「まあ、きたね」おれはどうにか我がボスに調子を合わせて言った。
「狙い目は夜の女の子たち――ぼくの言った通りでしょ」
「まあな……たしかに」
「それにしても、面白いことになりそうだ!」
「いや……それはどうだか」
「まちがいなく面白いことになるって!」
「おまえねえ……」こいつはしょせん他人事ひとごとだと思ってるにちがいない。
「探偵しだいとも言えるけど」そう言ってからカゲヤマはクククと押し殺したような笑いを漏らした。「ともあれ、しっかり頼みます」
「なんだかなあ……」
「なんだかなあ、じゃなくて」
「対外的には探偵ということになってるが、はっきり言っておれは素人なんだぞ」
「どんなプロでも最初は素人だよ」
「まあ、それはそうだ」おれは気乗りしていない自分自身を納得かつ鼓舞させるべく言った。「しかも、リスクヘッジとしての探偵業だもんな」
「そうそう!」カゲヤマは、おれの気分とは裏腹にやたらと嬉々として応じた。「さすがはゴンちゃん。よくわかってるね」

 翌日の午後、電車とバスを乗り継いで、多摩地区にある大学病院へ赴いた。
 おれはさんざん迷った末にスーツを着ていた。チャコールグレーの段返り三つボタン。白のボタンダウンシャツにえんじのタイ。所有する唯一の革靴である……とはいえ、ゴム底だが……ドクターマーチンの3ホール。おれの普段の恰好といえば、ジーンズにパーカにスニーカー、といった類いのもので、冠婚葬祭以外でスーツを着るなんてことはまずないのだが……まあ、言ってみれば、仕事始めなのだし。
 いや、とおれはバス停から病院の正面入口までの道すがら、自分に言い聞かせた。カゲヤマに乗せられてここまで来たとはいえ、安直に引き受けちゃダメだ。手に余るようなら潔く断れ。言うまでもなく、この世界はおれの手に余る案件で溢れかえっている。
 婦人科病棟のデイルームには二時五十六分に着いた。一面の窓からは晩秋の穏やかな陽光が差し込んでいる。向かって左端にテレビモニターが置かれていて、その前のいくつかのテーブルに入院患者が数名散らばっていた。おれはテレビモニターからもっとも遠い壁際のスタッキングチェアに腰を下ろした。
 デイルームのオフホワイトの壁にかかった秒針つきの時計が二時五十九分をさしたところで、廊下の奥から薄いブルーのストライプのパジャマの上にオレンジ色のカーディガンを羽織った女が現れた。たしか三十九歳であるはずの由実香と同じ年恰好。
 自分の性分に自分で呆れるが正直に言おう――それまでの重たげな気分がオセロの石のように裏返った。女の視線がデイルームをぐるりとまわって最後にこちらを向いたので、すっくと立ち上がって、一礼した。彼女もまた顔をほころばせて一礼した。
 長期入院患者に特有のやつれというほかないものが全身を薄膜のように覆っていたが、日本人というか黄色人種にしてはいくぶん淡い色の大きな瞳、そして、八重歯がちらりとのぞく笑顔は、なお魅力的だった。気づいたのは五分ほど経ってからだが、すらりとした指と形の良い爪には、ふいに胸を突かれるような、はかなげな美しさがあった。
 直径九十センチほどの丸テーブルをあいだに挟んで着席した。初対面の挨拶のあとで、何から聞き出そうか決めあぐねていたおれに気づいたのか、いや、たぶん気づいてはいないと思うが、先に切り出したのは岩澤めぐみだった。「先に今の自分のことを話してしまってもいいですか? それを話さないことには」
 おれは舌の上にたまっていた唾を飲み込んでから言った。「もちろんです」
 岩澤めぐみは、まるで幼い頃の秘密を明かすかのような口調で、現在の病状と心持ちを簡潔に話してくれた――子宮頸がんに罹っていることが発覚したのは昨年の春だった。六月に子宮全摘出術を受け、秋からは職場にも復帰した。しばらくは調子が良く、今年の春先には完治への期待すら抱き始めた。しかし、この九月にリンパ節に転移していることが判明した。現在は抗がん剤治療と放射線療法を続けている。担当医からのいわゆる“余命宣告”は今のところないが、「諦めないでいっしょに頑張りましょう」という物言いの中に、尋常じゃない深刻さを感じる――のだという。
「最近になってようやく、自分の置かれた状況を冷静に見つめることができるようになりました」岩澤めぐみは微笑としか言いようのない表情を浮かべながら言った。「けっして諦めたわけじゃありません。でも、その一方で、命を終える準備をしておかなくては、と思えるようにもなったんです。だって、ほら、自分の力で変えられないことは受け入れるしかないじゃないですか。でも、こんなわたしにもまだ変えられることはきっとあって。いつしか会えなくなってしまった人に、最後にもう一度会うってことはできるはず。会って話したい。どうしても伝えたいことがあるんです」
「でも」先を促すつもりでおれは言った。「その人とは連絡がつかない」
「そうなんです」今や彼女の瞳が涙で光っていることに、気づかないわけにはいかなかった。「メールへの返信がないので、やっとの思いで電話したら、現在使われておりませんという例のアナウンスが流れました。フェイスブックやツイッターのアカウントは残っているけど、もう長らく更新されていません。メッセージを送ってもいっこうに既読にならない。ラインのアカウントはいつのまにか消えている。それで、彼の学生時代の友人に連絡したんです」
 しかし、その友人が知っているのは、彼が一昨年の春に生まれ故郷の函館に帰ったところまでだった。岩澤に促されたこともあり、友人は実家に電話を入れてみた。電話口に出た母親が言うには、彼が実家で暮らしていたのは半年あまりで、ある日、書き置きを残して姿を消した、という。
「そのっていうのは」話がひと段落したところでおれは尋ねた。「以前の恋人、という認識でいいのかな?」
「あ、ごめんなさい」権藤探偵事務所にとって初めての依頼人はさっと頰を赤らめながら言った。「それを先に言うべきでした。ええ、付き合ってました。でも、当時の彼は結婚していたので……ようは、不倫ですよね」その口ぶりには、他人の話をうわさ話をしているかのような、微量の嘲りが混じっていた。「わたしはそんなふうに思いたくなかったけど」
「結婚していた、ということは――」
「わたしと別れて半年ほどしてから、結局、奥さんとも別れたんです。わたしのせいもあると思う――彼はそれを頑に否定してましたけど。奥さんに知られてしまったので――」
「失礼。ちょっと待って」依頼人の話を制し、用意してきたのにすっかり失念していたヴォイスレコーダーを遅ればせながら上着の内ポケットから取り出した。そして、了承を得た上でレコーダーの録音ボタンを押した。「それは何年前の話なんですか?」
 レコーダーが目の前に置かれたことで、彼女のほうもこれが友人への頼み事とは別物であることを改めて認識したようだ。それまでずっと手に持っていたA6サイズのノートを開いた。尋ねられることを念頭に午前中にメモをとったらしい。それに時々目をやりながら詳らかに話してくれた。
「別れてからは一度も会っていない?」依頼人の話がおおむね終わるとおれは訊いた。
「いえ、奥さんと別れてまもない頃……翌月だったとわたしは記憶してますけど、一度だけ食事しました。その時に、もう一度やり直さないかって言われたんだけど……わたしはすでに別の人と付き合っていたので、ひどい言葉で決別してしまったんです。今振り返ると、自分の言動が信じられないんですけど。その時の彼氏のことなんて愛してなかったし」
 黙って続きを待った。
「いっとき、のぼせ上がってただけなんです。彼のことを忘れてしまいたくて無理やり自分を煽り立てていた。付き合いがばれた時にわたしじゃなく奥さんを選んだ彼を見返してやりたい、そんな気持ちすらあったかもしれません」
「なるほど。彼とのやり取りはそれが最後?」
「大きな地震のあとに、安否確認を兼ねたメールが届いたことがあります。わたしは意図的にそっけない返信をしました。それが最後です」
「彼が函館に帰ったことも知らなかった?」
「まったく知りませんでした。その頃は……わたし、荒れた生活をしていて。その話もしなくちゃいけないですか?」
 少し考えてから、その必要はないと言った。個人的には非常に興味があったが、この調査には関係ないだろう。
 ナース服を着た看護師が二人、パタパタと足音を立てながら廊下を小走りで通り過ぎていった。向こう端のテレビモニターの前には今、いずれも五十がらみの入院患者が三人と、そのうちの一人の娘たちと思われる(おそらく)大学生と(まちがいなく)高校生の女子が座っていた。モニターの中には芥子色のブラウスを着た三十代前半とおぼしき女のニュースキャスターがいた。前日に起こった無差別殺人事件の模様を報じているようだ。
 おれは目を窓の外に向けた。澄んだ空の青と、葉を黄色に染めたプラタナスの樹々が見えた。もしも依頼人の立場になったとして、どうしても会っておきたい女は誰だろうと知らず知らずのうちに考えていた。答えを出すのに三秒もかからなかった。おれの場合、二人だったが。
「あのう」岩澤めぐみはしばしの沈黙のあとで、不安げに言った。「引き受けていただけますか?」
「ええ、もちろん」おれは少なからず驚きながら言った。なぜなら自分ではとっくに引き受けたつもりでいたからだ。「捜します」
 岩澤めぐみは「ありがとう」と言って笑顔を見せ、それからすぐに真顔に戻った。「それで、費用のことなんですけど……」
「うちには定額というものがないんです」とおれは言った。ひとまずは依頼人の言い値でやろうと、前夜にカゲヤマと取り決めていた。なんといっても、素人探偵の初仕事なのだ。そのことを依頼人に明かすつもりはないが。「あなたが無理せずに払える金額を」
 岩澤めぐみは表情をこわばらせた。明らかに当惑している。おれは自分の物言いが的外れであることに気づいた。無理せずに払える金額――そんなことを言われて、淀みなくこたえられる人間がどれだけいるだろう。たいていの依頼人にとって探偵に人捜しを依頼するのは初めてなのだ。
 少し考えてから提案した。「すべて込みで十五万。どうでしょう?」函館を訪れる必要はあるだろう。何日か滞在することにもなるだろう。何度か酒席を設ける必要もあるかもしれない。今回はその費用だけまかなえればいい。「チベットやギリシャにいる彼を連れ戻してこいっていうなら話は別だけど、追加料金は要りません。もし見つからなかったら、かかった経費以外は返金します」
 岩澤めぐみは安堵したような、あるいは相手を安堵させたいがためのような、柔和な表情を浮かべながら小さく首を振った。「たとえ見つからなくても返金の必要はありません。経費が嵩むようでしたらそのぶんもお支払いします。そして、彼に会えることになったら……成功報酬っていうんでしょうか……別途で十五万円をお支払いします。いかがでしょうか?」
 おれは依頼人の殊勝さにいたく感心しながらうなずいた。「承知しました」
 岩澤めぐみはゆっくりと頭を下げた。「よろしくお願いします」
「あとは」すんなりことが運んだゆえの面映さもあっておれは言い添えた。「由実香ちゃんに言っておいてもらえますか。今度、ご飯を食べに行こうって。いつもはぐらかされるんで」
 面映さに加えて、場を和ませる意図もあったのだが、言い終わらないうちに、逆に場を白けさせることになるかもしれないと思った。しかし、杞憂だった。
 岩澤めぐみは、もし八重歯の可憐さに等級というものがあるなら最上級に付されるに違いないそれをのぞかせて破顔した。この日いちばん大きな笑顔だったと思う。「わかりました。伝えておきます」
 
 尋ね人の名は浅沼裕嗣あさぬまゆうじ。岩澤めぐみが提供してくれた情報は、彼の生年月日、出身高校および出身大学、母親の名前、父親はすでに亡くなっていること、三つ下の妹がいること、元妻の名前と当時の勤め先、大学時代からの親友二人の名前と連絡先、そして、浅沼裕嗣が少なくとも彼女と付き合っていた頃はかろうじて食えていたミュージシャンであり、スリーピースのオルタナティヴ系ロックバンドである〈The Night Shift〉で、ドラムを叩いていたこと、所属していた事務所兼インディペンデント・レーベルの名称、それに、身長とおおよその体重、画像が何枚か。 
 おれはまず、三軒茶屋にある音楽事務所兼インディペンデント・レーベル〈デイドリーム・シスターズ〉へ赴いた。前夜は、ミュージシャンの友人に電話して、バンドと事務所についてのじゃっかんの情報を仕入れておいた。YouTubeではライヴ映像やMVをチェックした。バンドのサウンドは、しいて言うならバッド・レリジョンにレディオヘッドを混ぜてこねくり回したような感じで、おれの好みからすれば、少々メロディアス、かつシリアスすぎたが……おれの好みなどどうでもいい。
 ドア口に現れたのは、グリム童話の世界から抜け出してきたかのような装いをした四十すぎの女だった。名を名乗り、〈The Night Shift〉についてお尋ねしたいことがあるのですが、と告げた。
「はあ……お待ちを」女は、こちらの全身を舐めるように見てから言い、おれの鼻先でドアを閉めた。
 薄暗い共有廊下に取り残された。隣室のドアがホラー映画の効果音のごとく耳障りな音とともに開き、そこから出てきた、エチオピアの魔術師が着るようなロングドレスを着た太った初老の女が、通りすがりに一瞥をくれ、なぜだか知る由もないが、ふふんっと鼻で笑った。
 なかなかドアは開かなかった。なんだってそんなに時間がかかるんだ? 無視するつもりなのか? もしや窓から逃亡したのか――そんな疑念すら頭をよぎり始めたところで、ようやくドアが開き、五十代半ばと思しき男が顔をのぞかせた。ざっと七割が白髪になった長髪をポニーテールにし、目の表情がかろうじてわかるオリーブグリーンの色眼鏡をかけ、フランク・ザッパのTシャツの上に幾何学模様としか形容できそうにない柄がプリントされた長袖のシャツを羽織っている。全体的にはスリムな体型だったが、それゆえに腹のまわりについた脂肪が目立った。この男がレーベルの代表者である塚本泰行にちがいない。
「なにか?」と男はつっけんどんに言った。
 名刺を差し出した。「権藤研作と申します」
 塚本はぞんざいに名刺を受け取り、色眼鏡を押しあげて記された文字に目を落とした。そして、探偵ね、と吐き捨てるように言った。探偵、というのが、まるで、口にするのも穢らわしい単語であるかのように。ついで、名刺を裏返し、下水の臭いでも嗅いだかのように鼻をひん曲げた。塚本自身は名乗るつもりなど毛頭ないようだ。
 もう一度バンド名を言った。「こちらに所属していましたよね」
 塚本は視線を戻すと言った。「で?」
「じつは、浅沼裕嗣さんの行方がわからなくなっていまして」
「そうなの」とくに驚くでもなく塚本は言った。「いつから?」
「二年ほど経つようです」
「ふうん」
「なにか……ご存知ありませんか?」
「さあ……知らないな」さも面倒くさそうに言い、さらに嘲るように続けた。「あんた、来るところを間違えてるね」
 たとえ間違えてるとしても、来たからにはすごすごと引き下がるわけにはいかない。「こちらとの契約が終了したのはいつですか?」
 塚本は、ふっ、と小さくため息を漏らすと、振り返って事務所内の誰かに尋ねた。何を言っているかまでは聞こえなかったが、女の声がした。さっきの女かどうかは判然としないが、いずれにせよ、多数のスタッフが働いてるような気配はない。塚本は向き直ると、情報を提供するのは本来なら有料なのだが、情けで無料にしてやっているといった恩着せがましい口調で言った。「〈The Night Shift〉は三年前の十二月二十六日のライブをもって解散。同時にウチも契約を解除した。その後のことは知らない」
「些細なことでもいいんですが」とさらに食い下がった。
 塚本はおれの目を壁にあいた二つの穴であるかのように見据えた。
 壁にあいた二つの穴は塚本に見据えられたままどうにか言葉を絞り出した。「お願いします」
 塚本はようやく口を開いた。「そもそもね、やめるって言い出したのが浅沼なんだよ。こっちは丸十年も面倒を見てたんだ。恩を仇で返されたような気でいる。やつのことなんか思い出したくもない。以上」
 塚本はそう言うとドアを閉じかけた。おれは戸口に足を挟んでドアが閉まるのを阻止した。
「おい! 以上だと言ってるだろうが!」
「メンバーの連絡先を教えていただけませんか?」
「警察呼ぶぞ!」
「お願いします」ドアの隙間に頭をねじ込むようにして低頭した。
「もう二度と来るなよ」と吐き捨てるように言いながら、塚本はジーンズの尻ポケットからスマートフォンを取り出し、じつは人一倍デリケートな男であることを示すかのような華奢な指で操作した。「当時のマネージャーの連絡先を教える。タジマアツシ。そいつに訊け」それから、ゆっくりと、しかし一度だけ、電話番号を読み上げた。
 おれもまた尻ポケットからスマートフォンを引き抜き、記録するために告げられた番号をプッシュした。「ありがとうござ――」
 言い終わらぬうちにスチール製のドアは、首都圏全域に響きそうな派手な音を立てて閉まった。
 
 情けない話だが、おれはへこんだ。こんなことでいちいちへこんでいては探偵業などやっていられないとは思いつつも、へこんだ。みぞおちにパンチを食らったかのように。そもそも、おれには探偵なんて向いてないんじゃないだろうか。
 静かな場所で一休みしたかったので、とくにあてはなかったが、バス通りを駅とは反対方向に歩いた。十分ほど歩くと緑道があった。少し先には木のベンチも見えた。目についた自動販売機で缶コーヒーを買って、緑道に入り、ベンチに腰を下ろした。隣のベンチに座っていた化石のような老女が、しわに囲まれた黄ばんだ目でおれをじろりと見て、挨拶のつもりなのか、表情を変えずにほんの僅かにうなずいた。おれもうなずいた。タバコをやめて三年ほどになるが、久々に吸いたくなっていた。老女が所持していそうな気がしたが、低木の茂みに立てられた「ここは禁煙です」の看板を見て、あきらめた。三分ほどかけて缶コーヒーを飲み干し、それからタジマアツシに電話を入れてみた。真っ昼間だったので、まずは留守電にメッセージを、という心づもりだったのだが、意外にも応答があった。突然の電話を詫び、素性を明かし、事情を説明すると、タジマはあっさりとこたえてくれた。
「音楽からは足を洗って田舎に帰るって言ってたのは覚えてるけど……そんくらいかな、おれが知ってるのは。最後のほうは軽くウツが入ってたんじゃない?」
「……ウツ?」
「まあ、ウツってのは言いすぎかもしれないけど、メンバー間もかなり険悪になってたし」
「それはどうして?」
「どうして……つーか、十数年も同じメンバーでやっていれば、多かれ少なかれそうなるんだよ。そもそも、先に友人としての関係があって、そこから活動を始めたってタイプのバンドじゃないしね。……おれの言ってること、わかるかな?」
 わかると思うと言うとタジマは続けた。
「売れてるバンドとは違って、ツアーの移動とかもワゴン車でずっと一緒なわけだし。時にはホテルの部屋まで同じ。悪口を言うつもりはまったくないけど……ギター・ヴォーカルの吉住さんがまあ、ちょっと自己中っていうかさ。仕方ないけどね、曲を書いてギターを弾いて歌も歌ってりゃ……なるよね、少しは自己中に」
「なるほど」
「だから、バンドをやめるって言い出したのは浅沼くんだけど、たとえ浅沼くんが言い出さなくても、遅かれ早かれバンドは終わってたと思うよ」
「なるほど」と繰り返した。「メンバーの連絡先を教えてもらえますか?」
「いいけど、吉住さんは日本にいないよ」
「どこに?」
「オークランド、カリフォルニア。お姉さんが向こうの人と結婚してるらしくて」
「アメリカに移住したってこと?」
「移住なのかどうなのかは知らないけど……向こうでバンドも始めたみたい」そこで、誰かが誰かを呼ぶ、がなり声が電話口から聞こえた。タジマは早口になって言った。「おれ、そろそろ仕事に戻らないと。あとでこの番号にメールするよ。夜にでも」
 翌朝になってもタジマからの連絡はなかったので、催促のテキストメッセージを送ると、午後になって、メンバーの名前と連絡先だけが記された素っ気ないテキストが届いた。
 まずは両人に簡潔なメールを送り、電話番号も入手できたベーシストの辻本博信には二時間後に電話を入れて、応答した留守電に連絡をもらえないかとヴォイスメッセージを残した。ギタリスト兼ヴォーカリストの吉住雅哉の電話番号は知らされていなかったので、フェイスブックで検索してみた。すぐに見つけられた。つい一週間ほど前にも投稿がある。西海岸をシアトルからロサンジェルスまで南下する新バンドでのライヴツアーが終了したらしい。こちらにもメールに書いたのとほぼ同様のメッセージを書き込んだ。
 夜になってから辻本から折り返しの電話がかかってきた。こちらの用件が終わりしだい何かを売りつけるつもりなのだろうかと勘ぐりたくなるほどの慇懃な話し振りだったが、タジマが知っている以上のことは知らなかった。
 吉住からフェイスブックを通してメッセージが届いたのは二日後だった。宛名のない、挨拶の類いもない、自分の名前すら記されていない、こんなメッセージが。
「最後のライヴ以来会ってないし、連絡も取ってないし、何も知らないし、知りたいとも思わない」
 
「バンドをやめるってのはよくあることだろうけど」おれがここ数日分の話を終えるとカゲヤマが言った。「どうして音楽までやめたんだろう?」
 深夜、おれたちは新宿通り沿いのスポーツ・バー〈インディペンデント〉のカウンターに腰掛けていた。カゲヤマは、何度耳にしても覚えられない長ったらしい名前のノンアルコールカクテル、おれは新潟産のインディア・ペール・エール。正面の大きなモニターは、いつのかは不明だが少なくとも今シーズンのではないマージーサイド・ダービーを映し出していた。
「大学時代の友人には」とおれは言った。その晩、浅沼の学生時代の親友である安岡丈博たけひろと淵野つかさの二人に会って話を聞いてきたのだった。「ロックにかかわってる連中がぜんぜんロックじゃない、とかなんとかこぼしてたらしいよ」
「ロックにかかわってる連中がぜんぜんロックじゃない?」カゲヤマはおうむ返しに言いながら、眉間に深い皺を寄せた。「それが音楽をやめる理由?」
「その二人も、いったいなんなんすかね、って呆れてたけど」
「その二人ってのは何してる人たちなの?」
「ふつうの勤め人、スーツを着た」とおれは言った。安岡は外食産業の本社で、淵野は不動産管理会社で、それぞれ働いていた。どちらにも課長という肩書きがついていた。浅沼が東京を離れる数日前に、三人で酒を酌み交わしたらしい。
「ま、ぼくも含めてだけど……ふつうの勤め人からすれば、まったくもって、たわ言だよね。ロックがどうとか……わけわかんない」
「まあ、そうかもね。おれはわからないでもないけど」
「ゴンちゃんは……青臭い中年の日本代表だから」
 おれは肩をすくめてその寸評にこたえた。「どっちみち、潮時だと思ったんじゃない? 年齢も年齢だし」
「だろうね」カゲヤマも同意した。「賢明な判断とも言える」
「そして、函館の実家に戻った」
「じつは……そこもいまいちわかんなくて。どうして帰ったの?」
「父親が数年前に亡くなってるんだ。一人暮らしの母親をひどく気にかけていたらしい」
「あんがいと孝行息子なんだね」
「どうかな。ほんとに母親のことを思ってるんだったら、半年も経たないうちにいなくならないと思うけど」
「もう一つ、気になるのは」とカゲヤマはさらに言う。「依頼人との関係」
「ん?」
「これまでの話を聞いた感じだと、浅沼って男、すごくピュアじゃない?」
「ああ、なるほど。なのに、不倫」
「そう、なのに、不倫」
「依頼人が言うには、不倫してるっていう意識が希薄だったって。大学時代の友人にも、悪びれずに紹介してたみたい。ふつうに、恋人として」
「わかんないな、そういうとこ」
「おれはわからないでもないけど」
「さすがゴンちゃん」カゲヤマはからかいの度合いをいっそう強くして言った。「腹黒い中年の日本代表」
 おれは再び肩をすくめてやり過ごした。
「元妻にも会いに行くんでしょ?」
「さっき、メールはしておいた」淵野典から元妻の連絡先を入手していた。
「それにしても」とカゲヤマは声音を変えて言う。「ワクワクするよね」
「はあ? どこが?」
「どこがってなにもかもが」
「そんなに言うんなら、カゲヤマが動いてくれてもいいんだけど?」
「な、なにを言ってんの、ゴンちゃん」カゲヤマはイグアナの目をぱちくりさせた。だしぬけにおれが、世の中は三角フラスコの形をしていて内側ではヒルが春を売っている、とでも言ったかのように。「ぼくは眠る暇もろくにない零細企業の経営者なんだから」
(第2回へつづく)

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桜井 鈴茂Suzumo Sakurai

1968年生まれ。明治学院大学社会学部社会学科卒業。卒業後は音楽活動ほか職歴多数。同志社大学大学院商学研究科中退。2002年『アレルヤ』で第13回朝日文学新人賞を受賞。他の著書に『終わりまであとどれくらいだろう』『女たち』『冬の旅』『どうしてこんなところに』『できそこないの世界でおれたちは』などがある。

  • 双葉社
  • 小説推理
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