双葉社web文芸マガジン[カラフル]

FP(ファイナンシャル・プランナー)住職の丸もうけ人生相談(高橋 泰源)

第10回

 こんにちは。好きなカレー屋さんは神田のトプカ、FP住職の泰源です。
 では、例によって、ご相談をお聞きしましょう。

28.80歳の父親が先日、「北関東の土地を買った」というのであわてて見に行ったところ、駅や幹線道路からとてつもなく離れた場所にある、ただの雑木林でした。その前は危うく振り込め詐欺にひっかかりそうになりました。認知症も始まってきているようです。今後どのように父に対応し、どのように被害を防げばいいでしょうか。母は3年前に亡くなり、父はひとり暮らしです。(40代・男性)

 なるほど。最初の話はいわゆる原野商法ですね。かなり前に流行はやった気もしますが、まだ残存していたのですね。念のためおさらいしますと、価値が無いに等しい土地を高値で売りつける商法のことをいいます。その次の振り込め詐欺はもうご存じですよね。子や孫を装った悪い奴らが電話等で高齢者をだまして大金を口座に振り込ませる詐欺です。

#人の世に在る時、求むる所、意のごとくならず
源信げんしん往生要集おうじようようしゆう」)


 修行を積んだ高僧ですら、「この世においては思うようにはならないものです」とため息をついているのです。「うまい話など、そもそもこの世に転がっていない」と、まずは思いましょう。

 ということをわかっていても、いざという時に冷静さを失ってしまうのが人間であり、特に自分の判断に自信を持っている高齢者も例外ではない、というか、高齢者だからこそ罠にはまるのかもしれません。私の母も生前、電話での振り込め詐欺にひっかかりそうになりました。少し長くなりますが、参考になるかもしれませんので再現してみます。

男「ばあちゃん、久しぶり」
老母「だれ?」
男「ばあちゃん、俺の声忘れちゃったの?」
老母「太郎?(仮名。私の姉の子、つまり老母にとっては孫の名前)」
男「そうだよ、太郎だよ」
老母「なに?」
男「今、上野に居るんだけど、これから行ってもいいかな」
老母「いいけど、来るなら奥さんと子供連れてきなさい。ピザ取ってやるから」
男「いやひとりで行く。実は、お金貸してほしいんだ」
老母「お金? いくら?」
男「………500万」
老母「500万? 冗談じゃないよ、うちにそんなお金あるわけないでしょ!」
男「お寺のお金とかないかな」
老母「私がお寺のお金に手つけたら、お寺追い出されちゃうよ!」
男「……じゃ、いくらなら貸してもらえる?」
老母「かきあつめて30万だね」
男「30万か………ちょっと考えてまた電話するわ」

 その後、老母が姉の家に電話していきさつを報告。この時点で、姉は太郎が実際に婆さんに金の無心をしたのではと半分本気で考えていたそうですが、太郎に電話して聞いたら「そんな電話してません」という答えだったので、詐欺とわかりました。老母は頭も耳も当時しっかりしていたのですが、電話中は相手が太郎だと信じて疑わなかったそうです。
 その後電話はかかってこず、未遂で終わり、被害もありませんでした。
「俺の声忘れちゃったの?」
 という問いかけは、高齢者には有効です。自分から孫の名前を言ってしまったのもうなずけます。

 ということで、「なぜ、ひっかからなかったか」と言ったら「母がろくに金を持っていなかったから」ということになります。しかしこれでは相談者さんの助けにはならないでしょうから、対策を考えましょう。

・家族の間の合言葉を決めておく
 当然のことながら、世間の人が知らないフレーズでないとだめです。例えば、
「たいていのことは?」「生活に支障はなーい!」
 これは新潟拠点のアイドルグループのある研究生のキャッチフレーズです。
「うちらは乃木坂」「下り坂!」
 坂道ファンの犯人でしたら絶対に「上り坂」と反応しますので排除できます。
「ザ・ファンクス対」「ロビンソン、ホフマン!」
 いにしえの全日本プロレス好きの方は耳にしただけで興奮しそうな対戦カードですね。「マスカラス、ドスカラス」と答える人とは友達になれるかもしれませんが、少なくとも相談者さんの家族ではありません。
「ベガはベガでも」「ホクトベガ!」
 93年エリザベス女王杯・関西テレビ馬場鉄志アナの名実況ですが、競馬ファンなら知らぬ人はない有名なアナウンスなので、やめておいたほうがいいですかね。同じ競馬ネタなら、
「これはびっくり」「ダイユウサクだ」
 こちらは91年有馬記念ですが、かみの句の汎用性はんようせいがありすぎてしもの句はとっさには絶対に出てこないと思いますので有効です。
「あんたの出た小学校は?」「ダヴディル小学校!」
 本当に出た学校を答える必要はありません。適当な答えを家族で事前に話し合って共有しておけばいいのです。ちなみにこの小学校はジョージ・ハリスンの卒業した学校です。
 合言葉はこのへんにして、次。

・振り込め詐欺の予行演習をする
 これも有効なのですが、事前に連絡しておいたら演習になりませんし、本気度も薄まります。かと言って、突然挙行したらお父上の心臓に悪くはないだろうかという危惧があります。

・恒常的に電話を留守録設定にする
 犯人は証拠となる自分の声が残るのを嫌がります。本当に要件のある方は伝言を残してくれますので、折り返し電話をかければいいんです。ただ留守電が苦手な方もおられますし、目上の相手には失礼ですし、折り返しの電話代もかかります。ですから普通に電話に出ておいて、途中で怪しげな話になったら「内容を忘れては困るから録音しますね」と言いましょう。

 ほかにもいろいろ対策はあります。詳細は各都道府県等のWebサイトを参照してみてください。

 前後しましたが、原野商法などの投資話。金とか、和牛とか、未公開株とか、昔からありますね、いろいろな投資話。最初から荒唐無稽なインチキの場合もあれば、それなりに上手くいっていたのが途中でおかしくなる、そんな場合もあります。また、株式などの収益性金融商品にしても信用取引や先物・オプション取引、レバレッジ型やインバース型の投資信託(通常の株価指数の2、3倍の値動きをします)など、ハイリスク・ハイリターン、つまり期待できる利益も大きいが失敗した時の想定損失も大きいものがあります。それらは必ずしもインチキではないのですが、専門家の想定すら及ばない社会情勢の変化等により価格が乱高下することがありますので、手を出さないにこしたことはないです。

 結局、「理解できない話には乗らない」これに尽きます。理解できる話に乗ったところで損をするプロの投資家も居るわけですから、素人しろうとさんはなおさら、危うきに近寄らず。
 ということを丁寧にお父上に説明してください。冒頭でご紹介した「人の世に在る時、求むる所、意のごとくならず」という高僧の言葉はあまりに無常すぎて、取り方によってはすべてのことにやる気をなくさせる、ニヒリズムにもつながりかねないフレーズですので、もう少しマイルドに。

#花は半開を、酒は微酔びすいに飲む
洪自誠こうじせい菜根譚さいこんたん」)


 花は五分咲き、酒は少々たしなむ程度に。なにごとも、ほどほどを楽しみましょう。原野や和牛を買わなくても、そこそこの暮らしを送れているのなら、それでいいじゃない。野に生えているきのこを闇雲やみくもに食べる人、いないでしょ? そんなふうにお父上にお話ししてみてください。あと、日ごろの頻繁な電話連絡をおこたらずに。

*渡らぬと大丈夫かどうかわからない橋は渡らなければ崩れることなし

29.19歳、大学1年の娘が結構高そうな海外ブランドのカバンや化粧品を持っています。どうやら、いわゆるパパ活をしているようです。体の関係は持っていないようで、決して豊かではない我が家の家計のことを考えて親に負担をかけまいとしている可能性もあります。頭ごなしに怒鳴りつけるのもどうかと思いつつも、親として放置してはよろしくない気もします。どう対応したらよいでしょうか。(40代・男性)

 そうですか。パパ活。10代から30代くらいの女性が、ある程度社会的ステータスのある中年男性と食事をして、ご馳走してもらったり小遣いやプレゼントをもらったり、人脈開拓・拡大の援助をしてもらう。私のような無粋ぶすいなおっさんからすると、なんともうらやましいというか、お気楽なバイトだなあとも思うのですが、なにしろデート、要はサシで会うわけですからそれなりの危険も伴うということで、親御さんとしてはいろいろ心配なんでしょうね。 
 聞いてみると、体の関係を持ちながら「パパ」と会い続けている女性もそれなりにいるようで、それも「パパ活」に含めてしまうとなんだかよくわからなくなってきますし、今回の相談者さんの娘さんも現時点ではその痕跡はなさそうだということなので、まずは「体の関係なしのパパ活」について、何が問題なのかを考えてみます。

 まずは「仏教的にOKなのか」。
 人と話すことは何の問題もありませんし、「パパ」からほどこし、というかお布施ふせを受けるのも大丈夫です。ただ、高級バッグだの宝飾品だの車だのマンションだのを与えられたら、これはこれで仏教的というより倫理的な問題が生じますね。どこがボーダーラインかというと、食事は別として、1万円以上の金品を一方的にもらうというのはどうなんだろうと、個人的には思います。
 ちなみに私が支援している名古屋拠点の某グループも「ファンからのプレゼントは1万円以内に限り受け取ります」と定め、告知しています。それでも回数の制限はないので毎週プレゼントすることは可能ですし、選抜総選挙の際には100枚、200枚単位(金額換算でおよそ10万円、20万円)で投票券を調達し、推し(応援しているアイドル)への投票をする人たちもいます。

 それでは次に、心配事の内容をかみ砕いて、その対策を個別に検討してみましょう。

・無理やり体の関係を迫られるのでは?
・断ったらネット等で中傷されるのでは?
・変な「パパ」につかまって怪しい世界に連れていかれるのでは?


「無理やり」
 これはパパ活に限らず、男女が会っている時間の中で発生しうる事象ではありますね。ただ、密室でなければ「無理やり」は成立しないと思うので、基本的にはそういう場所に行かない。カラオケボックスとか、インターネットカフェの二人席とか、夜景の見えるバーのペアシートとか、そっち系は避ける。相手の運転する車に乗る、なんて論外。あと、昼間しか会わない。それから、話の流れがおかしくなったら、スマホで二人の会話を録音しておく。最近ではペン型のICレコーダーもなかなかに高性能です。
 それよりなにより、相手の素性をしっかり把握する。特に、男女とも無料登録のサイトやアプリは要注意です。
 まずは必ず名刺をもらう。ただ名刺もいくらでも偽造できますので、過信は禁物です。ある程度の地位にある「パパ」なら、その会社のWebサイトとか日経新聞とかをチェックして、本当にその会社のその部署に存在する人物なのかを確かめる。それでもなお「なりすまし」の可能性も完全には否定できませんので、できるだけ仕事について聞く。「企業秘密なので教えられない」という話が多かったら、少しだけ疑ってみたほうがいいです。っていうか人脈拡大に役立ちませんよね、そんな人。
 
「中傷」
 女性が思ったように自分を受け入れてくれない、例えば体の関係を拒むことで、「パパ」がキレて、学校名や実名をネットでさらして誹謗中傷する。あり得ない話ではありません。 
 一部の「パパ」は、若い女性とのサシ飲みや食事自体がご無沙汰ぶさたのため、そんなシチュエーションに身を置くことで満足する人たちらしいのですが、多くの「パパ」は、最終的には体の関係に持ち込むことを目論もくろんでいるようです。そちらの人はそこに至るまでの「施し」を身体的接触で回収しようとしていますから、断られたらキレて、最悪、中傷に走る、ということは考えられます。まったくもっていい迷惑ですね。
 で、ネットで中傷されないためにはどうするか。まず、名前や学校を教えない。「パパ」の名前は聞いておいて自分は教えないのかい、という突っ込みが入りそうですが、かまいません。苗字はもちろん、下の名前も極力教えない。LINEのIDを教えるのは今日では不可避に近いかもしれませんが、相手のスマホのLINEにこちら側の名前が表示されますから、あらかじめLINEプロフィールの名前を変えることが望まれます。混乱しないように、家族や友人たちには事前に連絡して。もしくは他のトークアプリを利用するとか、SMS(ショートメール)を使うとか。

「変なパパ」
 まともなパパは一様にまともですが、変なパパはそれぞれに変である、というところですかね。新興宗教、自己啓発セミナー、セクト、鍋や健康食品の訪問販売、振り込め詐欺団、投資。ひとつ前の質問と重複しますので詳細はそちらを見ていただきたいのですが、怪しい雰囲気になったら、まずはスパッと断る。それが目的だったとわかったら、未練も残らないでしょう。さっさと帰って縁を切る。それでもしつこかったら「親と相談します」と言うよう、娘さんに伝えてください。何を言われても「親と相談します」と言い続ければよい。「税理士と相談します」、これでは乗り気ですね。税金対策してるみたいで。ダメだ。「弁護士と相談します」、これはよさそうですね。

 で、「体の関係もあり」のパパ活なのだとしたら、これはもう「売春」や「愛人」と呼んでもよい気がします。余計なお世話ではありますが、一度だけの人生、もっと大事に生きられたほうが、と言いたいところです。なんとも面白みのないステレオタイプな回答で恐縮です。

#水は方円ほうえんの器に従う
(禅語)


 水は四角い器に入れれば四角に、円い器に入れれば円いかたちになります。人は常に、環境や周囲の人に影響されるもの。月数回の逢瀬おうせとは言え、その「パパ」の言動に少なからず影響されることはあるでしょう。それが本当にいいことなのか。
「お金で女性の時間を買っている」と言えなくもないその「パパ」は、仕事はできるかもしれない。金払いもスマートかもしれない。話も楽しいかもしれない。しかし、本当に尊敬すべき人物なのか。彼と過ごしているより有益な時間の過ごし方、自分の磨き方、学び方はないのか。
 これを率直に娘さんと話し合うことですかね。「あなた、ふだんどんな人と食事してるの?」とか「そのカバン自分で買ったの? 高いよね」とか、まずは表情を変えずに淡々と尋ねてみてはいかがでしょうか。
 最後に、相談者さんご自身が、娘さんと会話する時間をきちんと持てていたかどうか、今一度省みてください。「帰宅時間には、娘は自室に入ってるから顔も見ない」なんて言わずに、たまにはしゃれたフレンチかイタリアンの店にご家族を連れて行って、ゆっくり語らいの時間を持ってみては。娘さんの悩みごとも聞き出して怪しい道への一歩を未然に防止したり、夢の実現に役立ちそうな専門家を紹介したりできれば、結果的に一家の大黒柱としての株も上がるかもしれません。そうなれば、家族でのちょっとした贅沢も安いものです。

*父さんとはろくに話もしませんがパパとは定期的に食事します

30.営業職ですが、取引先の発注担当者の男性からしつこく「飲みに行こう」と誘われました。上司にも付き合うよう言われ、いやいや付き合ったところ二軒目のバーで体を軽く触られ、肩を抱かれました。なんとかかわし、その日はそのまま帰りました。その後注文は継続的にゲットできていますが、LINEでのお誘いもやみません。このあとどのように接したらよいでしょうか。(30代・女性)

 セクハラとパワハラの合わせ技の見本みたいな事例ですね。会社なり職場なりのガイドラインはないのでしょうか。もちろんセクシャルハラスメントは決してあってはならない行為であり、相談者さんの勤務先の会社は、この雇用契約上の安全配慮義務に基づいて、自社の従業員を、取引先から受ける被害から守る責任を負っています。

男女雇用機会均等法 第11条第1項
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

労働契約法第5条
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

 
 まずは上司に相談。ダメ上司だったらコンプライアンス委員会とか人事とか、すぐに相談してください!
 それで済めばよいのですが、現実はそうそう思い通りには運びませんね。まず上司が無理解なケース。

「だめだよ、先方は君のことを気に入ってくれてるんだから、会社のために、多少のことは飲み込んで。もうしばらくあそこの担当を続けて。今期の営業本部長賞も考えるし、ね、頼むよ、一年後には営業の主任にしてあげるから」
 安っぽいドラマに出てきそうな、ひどい上司ですね。私は僧侶との兼業で会社勤めをしていた期間がかなり長かったのですが、さすがにこんなおっさんはいませんでした。

 次に、担当を外れることができても、個人的なお誘いが絶えないケース。
「担当が替わったのは残念だったね。これから友人として個人的に付き合おう」
 なんつって。相談者さんもLINEのIDを教えたり一度バーまで付き合ったりしてるので、先方も勘違いしてる可能性があります。相談者さんにその気がないのであれば、LINEをブロックしてもう相手にしない、これでいいでしょう。もちろん上司にも伝えて。職場に電話がかかってきても居留守を使う。

 しかし、世の中でこれだけさんざん叩かれてもまだ懲りないおっさんは、いるのですね。宗教界においても時折メディアを賑わせる事例があります。恥ずかしい話です。

#真なる者ははなはもつかたく、じつなる者は甚だ以てまれなり。なる者は甚だ以て多く、なる者は甚だ以てしげ
親鸞しんらん 「教行信証きようぎようしんしよう」)


 ご存じ、親鸞聖人しようにんの言葉です。道理をわきまえた人や、真の教えに巡り合うことは難しい。そうでない人や偽りや虚構の言葉には、いやというほど出会うものである。怒りの感情に加えて「なんでこんな変なおっさんに出会っちゃったんだろうなあ」と嘆息したい気持ちもわかりますが、そもそも「この世は変な人だらけ」と思っていれば、いくらか気持ちも収まるのではないでしょうか。「あなた、いろいろ世の中に求めすぎ」とは決して申しませんが、そもそも世の中は欠陥人間で溢れているのです(と思えば多少落ち着くのでは)。

 最後に、怒られるかもしれませんが。

#言語を出すごとに、一言一語、じかすべからく跡を絶つべし。慎んで人の恋著れんじやくくことなかれ
損翁宗益そんのうそうえき見聞宝永記けんぶんほうえいき」)


 人と話をする時は、一言一語、すべてその言葉が後を引かないように心掛けるべきである。つつしみ深くし、決して相手に恋慕されるようなことを言ってはいけない。

 こちらは曹洞宗そうとうしゆうの禅僧の言葉です。「恋著」は現代では使われない言葉ですが、法華経ほけきようにも載っている仏語で「対象を恋慕し執着すること」。つまり、「相手に恋しく思われないように、気を引かぬように、淡々と会話をしなさい」と言っているわけです。
「こちとら営業だよ。お役所じゃないっつーの! 注文もらうために行ってるんだから淡々と会話なんかできるわけないだろ!」
 ごもっともです。適度に会話のキャッチボールをし、されど沈着冷静に目的を遂行すいこうし、すきを見せずに去る。なかなかに難しそうなミッションですが、理解してくれる上司や先輩の助言を仰ぎながら、ご自身のスタイルを確立していってください。

*発注の見返りにデートを求めたらそいつは客じゃないカスかクズだ

 では今回はこのへんで。また15日後にお会いしましょう。
(第11回へつづく)

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高橋 泰源Taigen Takahashi

密教系寺院の住職、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP ®認定者。大学在学中に僧侶資格を取得。専門分野は宗教法人の税務・資産運用。宗教法人経営者としては「寺院の真摯な運営」、宗教者としては「人々の心身の安寧」を志向し、埋葬と瞑想と妄想の日々を送っている。

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