双葉社web文芸マガジン[カラフル]

無心セラピー(辛酸なめ子)

第43回 アロマテラピー中級編 前半

 ここ数年、洋服のお店でも雑貨屋さんでも、アロマ関係の商品を見かけることが多くなったように思います。なぜ人はこんなに香りを求めているのでしょう……。そして香水系のショップもお客さんで賑わっています。先日仕事で大宮に行った時、ルミネの香水ショップに行ったらレジに若い女子の列ができていて、元埼玉県民として感慨深いものがありました。目に見えるものから、目に見えないものへの意識が高まっているようです。
 ちょうど今は占星術的にも、時代の変わり目のようです。魚座の時代から水瓶座の時代に変わっていっていて、「風」の星座である水瓶座の時代には、今までの物質的な価値観から精神的な価値観に移りゆき、目に見えない情報やスピリチュアルな事象が重視されるようになります。風に乗ってくる、香りの分野もさらに注目度が高まるのではないかと思います。スピリチュアル系のサイキックのウィリアム・レーネン先生にも、これからはもっと五感を高めた方が良いと伺いました。
 「五感を使うと動物に愛されます。これからは自分を尊ぶ生き方、先住民的な生き方が注目されます。先住民はフィーリングに生きている。五感でエネルギーを感じてみてください。より自然に生きることができます」
 前の項でアロマや香道について入門的な体験をしてみましたが、もっと知識を深めたいという思いがわいてきました。五感の中でも、視覚や味覚ばかり重視していたので嗅覚を鍛えて、心を整え、自然に則した生き方ができるようになれば……。人間には1万種類もの匂いをかぎわける能力があるそうなので開発し甲斐があります。アロマは心身の健康だけでなく魔よけとして自分をガードするのにも使えます。
 そしてここ最近の愛読書は『最新! アロマセラピーのすべてがわかる本』(小野江里子著/ ソーテック社)です。本によると「嗅覚」は「生命維持に大切」な感覚で、敵か味方か、毒があるかないかの判断や、子孫繁栄のため異性のフェロモンを感知したり、本能的なことに関わっているそうです。鼻の奥、鼻腔の天井には「嗅上皮」があり、そこには嗅細胞が並んでいます。鼻腔から嗅上皮、嗅神経、嗅球、そして大脳辺緑系の海馬・扁桃体というルートで香りが伝えられます。嗅覚から脳に伝わるスピードは0.5秒。香りはダイレクトに脳に作用します。記憶や感情に働きかけたり、大脳辺緑系から視床、視床下部、脳下垂体に伝わってホルモンや自律神経を調整します。また、アロマセラピーには3つのルートがあり、「呼吸」から血液に取り込まれる場合、「嗅覚」を介して脳に電気信号が送られる場合、「皮膚」「粘膜」から取り込まれ毛細血管で全身を巡る場合があります。そして体と肌、心にポジティブな作用を及ぼすのです。
 アロマに詳しいエステティャンの友人と、ときどきアロマトークで盛り上がるのですが、「嗅覚は脳に直結しているから、ドラッグも鼻から吸い込むのは危険。絶対やめたほうがいいです。脳が変化してしまうと、もうもとの脳には戻らないので……ドラッグなしではいられないようになってしまいます」と、彼女は話していました。コカインを鼻から吸いまくっていたエリカ様がよぎります。より強い刺激を求めてドラッグにハマッていったのだと思いますが、アロマを吸うくらいにしておけば……。精神的に高揚するアロマも結構あります。達成感や快楽をもたらすドーパミンを分泌させるのは、グレープフルーツ、クラリセージ、ジャスミン、ローズなど。やる気がアップするノルアドレナリンを分泌させるのは、ジュニパー、カルダモン、レモングラス、ローズマリーなど。適度な興奮と精神の安定にはセロトニンを分泌させるカモミール・ローマン、ネロリ、マージョラム、ラベンダー。催淫効果はイランイランなど、精神に働きかけてくれる香りがたくさんあります。
 ちなみにスピリチュアル系の本『エンジェル・デトックス』(ドリーン・バーチュー/ ロバート・リーブス著)にもアロマの効果について別視点で書かれています。(ドリーン・バーチューは数年前、まじめなキリスト教徒になってから過去の自分の仕事を悪魔の所業だと否定するようになってしまいましたが、この本は良い本だと思います……)
 本によると精油のヒーリング効果は、

シダーウッド……エネルギーをグラウンディングさせ、祖先とのつながりを思い出させる。
カモミール……あらゆるストレスや不安を取り除く。コミュニケーションのバランスを取り発言能力を高める。
ユーカリ……空気中の細菌やウィルスを除去。サイキックアタックや好ましくないスピリットのエネルギーも取り除く。
フランキンセンス……皮膚に効果あり。神や天使とつながりやすくしてくれる。
ゼラニウム……体内時計を調整するので旅におすすめ。自尊心や自信を高める。
ジュニパー……不必要なものを手放せる。
ラベンダー……殺菌作用がある。吸い込むと心が晴れる。第三の眼を開く。
レモン……殺菌作用がある。人生からネガティブなパターンを取り除く。
オレンジ……人生にバランスをもたらす。
ローズ……愛に集中させる。平和と安らぎをもたらす。
ローズマリー……心の霧を晴らして集中力を高める。
サンダルウッド……高次のスピリチュアルな知恵を呼びさます。
ティートリー……消毒作用がある。古い淀んだエネルギーを破壊し新しいエネルギーを招き入れる。

 といった感じでアロマの効果は多岐に渡っています。気付いたらアロマにハマって、私はアロマ売り場やショップをうろつく日々。数時間おきに何らかのアロマを吸引しないではいられない体になってしまいました……。でも合法なので安心です。
 
(第44回へつづく)

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辛酸 なめ子Nameko Shinsan

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。芸能界やスピリチュアル、オカルトなど多数のジャンルを独特な目線で描き人気を博す。『辛酸なめ子の現代社会学』『大人のコミュケーション術』『おしゃ修行』『魂活道場』など著書多数。

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