双葉社web文芸マガジン[カラフル]

無心セラピー(辛酸なめ子)

第24回 贈答ヒーリング 後半

 人にさしあげる行為で心が癒されていることを実感しつつ、最近の贈答行為を軽く記録してみました。
 
12/9
イベント開催中、スタッフの方にジュースやお菓子など差し入れ
友人にピーナッツをさしあげてお菓子をいただく
12/11
仕事の現場にお茶など差し入れ
12/12
打ち合わせにおかきを持っていく
12/13
インタビューした方におせんべいなどをさしあげて、お返しにお菓子をいただく
12/14
取材される先にジュースを差し入れ
12/18
忘年会で三人の方に洋菓子を配る
12/19
お歳暮的なものをいただいたので二名におせんべいなどを送る
12/20
学校の取材でクッキーを手土産に。救世軍の社会鍋に1000円寄付
12/21
以前仕事でお世話になっていた女性とお茶。シャンプーとお菓子をさしあげるチョコレートなどいただく
12/21
忘年会に、マステつかみ取りでゲットしたマステを配りまくる
12/22
仕事関係の人に本やお菓子など送っていただいたので、即座にハーブティやお菓子をお送りする
12/26
取材相手の方にお菓子をいただき、何も持っていなくて咄嗟に美術展のチケットをお渡しする
12/27
打ち合わせ先に洋菓子を差し入れ
12/29
マドレーヌとマステを二名の方にさしあげる。勾玉や本、オーガニックコスメやお菓子などいただく
1/3
一般参賀の干菓子をお世話になっている会社に送る。高校時代の友人に神田明神のお菓子をあげる。ウォッカのリキュールなどいただく
1/4
取材でご一緒した方二名に飴をさしあげる。調味料をいただく。七福神巡りでお賽銭を入れまくる
1/6
一般参賀のお菓子と奄美のスープをエステでお世話になっている方にさしあげる
1/7
知人より干し芋が送られてきたので、お返しにお菓子や健康商品を送る。
叔父に美術展の画集などを送る
1/8
途上国の子どもたちに12000円寄付
 こんな感じでささやかですが、頻繁に贈答する機会がありました。喜んでいただけるのは嬉しくて、とくに寒い冬は心が温まります。
 贈答は勝ち負けではないですが、何かいただいたのに何も持っていなかった時や、相手の方のゴージャスな贈り物に釣り合っていなかった時、咄嗟に負けたと思ってしまいます。まだまだ比較の心が残って未熟だからでしょう……。
 とくに三人の女子会的な集まりで、私が持って行ったマドレーヌとマステのセットがどう見てもチープな感じになってしまった時は、しばらく残念感をひきずりました。高級感漂う勾玉キーホルダーと本をくださった方、お菓子と大量のオーガニックコスメをくださった方を前に、恐縮。経済力の差を感じました。
 女子会の交換タイムは手土産じゃんけんというか、どこかバトルみたいな面もあって緊張感が漂います。贈答行為に癒しを感じているうちは良いですが、人に対して優越感を覚えるようになったら本末転倒。値段やブランド感、豪華さではなく、相手が喜んでくれる姿を想像しながら選びたいです。以前、何の気なしに「星の王子様」の文房具を友人にあげたら、その友人が「星の王子様」が大好きで心から喜んでくれたことがありました。あの時のような感動をまた得られれば良いのですが……。人が本当に欲しいものをピンポイントで贈るには、贈る相手もそれなりに人徳がないと、そういう奇跡は起きない気がします。まあ、万人が喜ぶものは、お金なのかもしれませんが……。
 贈答や施しによって運気も上がる気がします。あげたら何か返ってくる法則が。最近地味に嬉しかったのは、まずスタバでめったに出ないアンケートがついたレシートが出てきて、答えたらドリンク一杯無料になったこと。たまたまデパートの10800円の福袋を買ったら12万円以上のアイテムが入っていたこと。セレクトショップのセールで11万円のスーツケースが半額になっていたこと。など……。あとは、途上国に寄付した直後、郵便局から出てくるとき段差につまずいて転倒しかけたのですが、空中で支えられたかのように体勢を立て直すことができました。良いことをすると神様は見てくださっているのです。自分の老後の保険的に、これからも寄付やプレゼントを続けていきたいです。
(第25回へつづく)

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辛酸 なめ子Nameko Shinsan

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。芸能界やスピリチュアル、オカルトなど多数のジャンルを独特な目線で描き人気を博す。『辛酸なめ子の現代社会学』『大人のコミュケーション術』『おしゃ修行』『魂活道場』など著書多数。

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