双葉社web文芸マガジン[カラフル]

無心セラピー(辛酸なめ子)

第19回 スイーツ離れの覚悟 前半

 これまでスイーツの世界に浸りきって生きていました。朝ごはんの後に必ず甘いものを食べたり。家にはクッキーとチョコを常備し、仕事の合間に食べていました。出かけた先でお茶する時はケーキをセットにしたり。スイーツのもたらしてくれる、甘美なひとときの快楽。でもそれは本当につかの間で、そのあとにはだるさや眠気、いらだちなどがやってくるのです。もちろんスイーツは脳の疲れを取るなどの効果はあると思われます。適量摂取するぶんには良いのかもしれません。でも、普通にしていても砂糖はかなりの量を摂取してしまっています。コーヒーショップの甘いラテの誘惑には勝てないですし、デパ地下で買うおかずの惣菜もたぶん味付けに砂糖が使われていると思われます。それにプラスして日々のスイーツだと、どうしても過多になってしまう……。
 以前から、シュガーブルースという言葉は知っていました。急激に大量の白砂糖を摂取すると血糖値が乱高下してインスリンが分泌し、心身に影響が出てしまうという症状。さらに砂糖には麻薬のような中毒性があり、切れるともっと欲しくなってしまうのです。白い粉つながりで、コカイン級の依存性があるとも聞きます。麻薬と言われると、セレブの悪徳イメージにあこがれて結局食べたくなってしまいます。
 家で仕事していて煮詰まったら、つい手を出してしまうお菓子。クッキーやチョコやちょっとしたケーキを切らすわけにはいかないので、どこかに出かける度にスイーツを買い込んで、キッチンのお菓子コーナーは溢れかえっていました。出費もバカにならないです。
 砂糖の取りすぎの影響か、集中しづらいとか、冷え性とか、生理痛、絶え間ない虫歯、苛立ち、といった症状がありました。(砂糖のせいだけではないかもしれませんが)鍼灸院で冷え性について相談したら、「お血」と呼ばれる血がドロドロな状態で、「みかんより甘いものは食べないほうが良いですよ」とアドバイスされました。えっみかん……?そんなの全然スイーツ欲が満たされない、と絶望的な気持ちに。よく女優さんのエッセイ本とか読んでると「おやつを食べたくなったらドライフルーツを口に入れます」とか書かれていて、何優等生ぶってるの、と内心イラッとしていました(これも砂糖の副作用でしょうか)。
 でも、70代で美しさと肌のハリとボディラインと健康を保っているキャロラインさんという女性の記事を読んだら、「砂糖は約三十年間一切とっていない」のがアンチエイジングの秘訣だと書かれていました。糖尿病になったことで一念発起し42歳から砂糖をやめたそうです。どうしても甘いものを欲したらキシリトールを摂取しているとか。それにしても、砂糖は老化も促進してしまうのだとしたら恐ろしいです。(キャロラインさんは整形説もささやかれていますが……)
 砂糖を控えめにすると、冷え性や生理痛の緩和、気分の落ち込みやイライラが和らぐ、瘦せる、集中力とスタミナアップ、などの効果があるようです。しかし人生の一部となっている砂糖をどうすればやめられるのでしょう。一気にやめるとリバウンドが来そうなので、ドリンクはOKとか無理ない範囲で砂糖を減らしていきたいです。
 砂糖づけ生活からは簡単に抜けられないと思っていましたが、ある行為で執着が外れることを知りました。ヨグマタ相川圭子先生の本に、「お布施をすると、執着が自然に手放せます」と書かれていたのです。「お金を捧げることで、最も大きな執着が外れ、心か浄められるのです。困っている人々を助ける活動や、人間の意識を高める運動などに寄付をするとよいでしょう」とあったので、実践してみました。自分としては結構大きなお金を、地震の被災地だったり、良さそうな団体に寄付させていただきました。
 すると、自分の中で変化が起きました。。
 
(第20回へつづく)

辛酸 なめ子Nameko Shinsan

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。芸能界やスピリチュアル、オカルトなど多数のジャンルを独特な目線で描き人気を博す。『辛酸なめ子の現代社会学』『大人のコミュケーション術』『おしゃ修行』『魂活道場』など著書多数。

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