おしゃ修行 第38回





 レギンスがせっかくすたれたと思ったら、さらに露出度が低いガウチョパンツが流行。私もガウチョは数本持っているのですが、とりあえず流行に乗って買ってみたものの、バランスが難しくてうまく着こなせません。小柄な日本人女性の多くは苦労しているのではないでしょうか。男性の客観的な意見を知りたくて、仕事で会った方々などにガウチョについて伺ってみました。
 まずスタイリストの男性の鋭いご指摘。
「なんでロングスカートじゃあかんの。なんでパンツにせなあかんの。レギンスの方がまだ脚を見せてくれるじゃないですか」
 そう言われてみると、ロングスカートでもいいような気がしてきました。続いてデザイナーの男性と話をする機会があったので、おそるおそる聞いてみると……
「正直、男性の評判は良くないですね。セクシーじゃないです。でも、女性は安心なのかもしれないですね。日本女性は背が低めなので、下の方にボリュームがあると、ますます背が低く見えます。かといってヒールと合わせるのも違う感じがしますね」
 と、プロのご意見、参考になります。下の方に横のラインができると、スタイルが悪く見えてしまうそうで、冬場などはロングコートにガウチョなど合わせると、裾のラインが下に集まってバランスが悪いです。
 中には「かわいいじゃん」という40代男性もいましたが、おおむね男性には不評でした。しかし女子の間でのガウチョ同士の一体感もあるので、同性が多い場所ではガウチョ、男性向けにはスカート、と使い分けるのが良いかもしれません。
 ちなみに男性が好きなスカートのデザインはというと、「デートで着てほしい『スカート』ランキング」というネットの記事によると、3位はフレアスカート、2位はレースタイトスカート、1位はタイトミニスカートだそうです。(Woman Insightより) マキシスカートとかワイドパンツが流行っていても男性には関係ありません。永遠の定番は、下半身にフィットしたタイトミニスカート。ガーリーなフレアスカートも育ちが良さそうで人気です。「男を虜にする500の秘密」という、「コスモポリタン」誌の男性についての記事を集めた本によると、「女性の曲線を見ると、脳の『報酬中枢』が活性化する。これは、酒や麻薬を摂取したときと同じ症状」だそうでした。タイトスカートにはそんな魔力が……。
 男性が好きな素材については、以前、美人女医がモテ術などについて語るセミナーを受ける機会がありましたが、やはり狩猟本能を刺激するのが良いとのこと。「男性は目の端に光るものや動くものがあると仕留めたいと思います」とのことで、キラキラするビジューやジュエリー、ヒラヒラしたレースなどが効果的。触りたくなるふわふわしたファーや、引っ張りたくなる紐やリボンがついた服、前にボタンがついていて脱がせたくなる服などもおすすめだそうでした。気象予報士の女性のカレンダーを見かけた時、そういったヒラヒラしたトップスにタイトスカートとか白パンツを合わせている人が多くて、さすが男受けの最高峰だと感じました。また、以前、男性が好きな女性の服の色についてのアンケートを見たことがありましたが、ピンクベージュとかクリーム色とかベージュとか、要は裸体を連想させる色でした。男心はシンプルでまっすぐです。
 そんな男性の心の叫びを聞く場面がありました。60代男性に「男性はガウチョパンツについてどう思っていますか?」と質問を投げかけると、彼は「そんなもんどうでもいい!」と言い放ちました。「外側なんてどうでもいい。それより中身が気になる」と、正直すぎるご意見が。うわべの服よりも、下着、もっといえば裸体が重要。年を重ねたから至った境地なのか、それとも多くの男性の本音なのか、脱力感とともに諦めを感じました。それならそれで、モテなど考えず、自己満足を優先して好きな服を着させていただきます。


 

辛酸なめ子
(しんさん・なめこ)

漫画家、コラムニスト。1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。芸能界やスピリチュアル、オカルトなど多数のジャンルを独特な目線で描き人気を博す。著書に『女子の国はいつも内戦 (14歳の世渡り術) 』(河出書房新社)『皇室へのソボクな疑問』(竹田恒泰氏と共著/扶桑社)『アイドル処世術』(コアマガジン)『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)など多数。










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