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[お知らせ]

連載いただいてた「おとな酒」は、現在単行本化に向けて鋭意制作中です。タイトルを「ぼんやり酒」に変更し、描き下ろしコミックも収録予定です。文章も大幅に加筆修正しさらに充実した内容となる予定です。お楽しみに!



編集部よりFROM EDITORIAL

 こんにちは。
 台風すごかったですね。
 風と叩きつける雨の音で夜中に何度も目を覚ましてしまいました。
 これが孤島だったら殺人が起きてますね。

「孤島」「殺人」となると、本格ミステリのド定番ですが、個人的には、デニス・ルヘインの『シャッター・アイランド』(ハヤカワ文庫)が変な意味で忘れがたいです。

ボストン沖のシャッター島に、精神を病んだ犯罪者のための病院があった。そこで一人の女性患者が行方不明になり、捜査のために連邦保安官のテディ・ダニエルズと、相棒のチャック・オールが派遣された。行方不明になった女性患者は、鍵のかかった病室から抜け出し、誰にも見られずに姿を消したのだという。そして、病室には「4の法則」という謎のメッセージが残されていた。
実はテディには、島へ来る別の重要な目的があった。彼のアパートメントに火をつけて妻を殺した男がこの病院に収容されていることを知り、彼を捜し出そうと考えていたのだ。
病院側の抵抗にあいながらも、嵐が接近する中、テディはチャックとともに捜査を進めるが、謎のメッセージがさらに発見され、次々と不可思議な出来事が起きる。そして、ついに想像を絶する真相が明らかに!

 とまあ、設定だけ見れば、堂々たる本格ミステリですが、いやいや、そこは巨匠ルヘイン。『ミスティック・リバー』や「パトリック&アンジー」シリーズで我々を酔わせてくれた、人間の悲劇や慟哭をきっちりこってり描いてくれると思っていました。

 ですが……なんだ、このラストは!
 ある種の特別な余韻を残す、この作者にとっては異色作ともいえる内容。
「こんなのも書けるんだぜ」という、ルヘインの声が聞こえてきそうな一冊です。
 次の嵐の夜でもぜひ。

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